1秒に1150億の命令を処理する『1000コアプロセッサー』、カリフォルニア大学が開発。単3乾電池1本で駆動

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2016年06月20日, 午後 04:30 in computer
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カリフォルニア大学デービス校の研究者が、1000コアのプロセッサー「Kilo Core」を開発したと発表しました。コアあたりの処理性能は高くないものの、非常に多くのタスクを一度に処理可能で、エネルギー効率も良いとのこと。6月16日にホノルルで開催されたVLSIのシンポジウムで発表されたKiloCoreは研究者いわく、世界初の1000コアプロセッサーで、なおかつ大学研究レベルでは最も高クロックなプロセッサー。これまでに設計されたプロセッサーはおよそ300コアが最高だったとしています

KiloCoreはIBMが持つ32 nm CMOS技術を使って製造され、各コアがそれぞれ独立してマイクロプログラムを走らせる方式。研究者によると、このCPUではアプリケーションプログラムを細分化して並列実行するため、処理が割り当てられないプロセッサーの通電を切ることで高いスループットを維持しつつ、低電力が実現できるとのこと。たとえば単3乾電池1本でも駆動可能だとしています。

さらに各コアは最大1.78GHz程度で駆動、処理のボトルネックとなるメモリーへのデータの書き出し/読み込みを最小限に抑えるために各コア間でデータを直接やり取りします。これによって最新のモバイルプロセッサーと比較しても100倍以上の効率的な処理が可能となり、数値的な例を上げれば、0.7Wの電力で1秒間あたり1150億の命令を実行できるとしました。

想定されるKiloCoreの得意分野は無線通信のコード/エンコード処理やビデオ処理などから、データセンターでの記録処理や科学的データ分析まで多岐にわたります。すでに試作品向けにはプログラムコンパイラーや各コアに自動的に処理を割り振る自動プログラムマッピングツールが完成しているとのこと。

とはいえ、KiloCoreがすぐにも現在のモバイルプロセッサーに取って代わるかといえば、その可能性は低いと言わざるを得ません。32nmプロセスで製造されるKiloCoreに対し、現行の最新プロセッサーは14nmといった、さらに微細化したプロセスで設計されており、またプログラム処理においても並列で処理するよりも一つのコアで高速に処理するほうが効率的なケースも多々あります。

ただ、もし今後の開発でKiloCoreが全体に突出した性能を発揮するようになれば、いつかKiloCore方式のモバイルプロセッサーがスマートフォンやノートPCに採用されることもあるかもしれません。
 
 
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