ブリザード・エンターテイメントは、徹底的にチートツールと戦う構えのようです。
アメリカのブリザード・エンターテインメント(Blizzard Entertainment)は、同社のFPS『オーバーウォッチ(OVERWATCH)』用のチートツールを販売したとして、ドイツのBosslandを訴えました。

オーバーウォッチはブリザード・エンターテインメント初のFPS。プレイヤーは個性豊かな「ヒーロー」たちの中から1人を選び、6人1組となって戦います。相次いで賞金制大会が行われ、多数のゲーミングチームが『オーバーウォッチ』部門を設立するなど、大きな注目を集めるタイトルです。

チートツールとは、メーカーが公式に用意した「裏ワザ」「隠しコマンド」とは完全に異質なもので、外部からゲームに介入して様々な不正を行います。問題のチートツールを使えば、敵が壁の向こうにいても、その位置や距離、名前などの情報が得られるとされており、まともな対戦が成り立たなくなることはいうまでもありません。

チートツールの公式サイトによると、このツールは26万人のユーザーを擁しているとされています。また、「このサイトはブリザードとは無関係であり、ツールは利用規約やソフトウェア使用許諾契約に反するだろう」と書かれているのですから完全な確信犯といって差し支えないでしょう。ただ、訴えを受けたものかは不明ですが、現時点では販売が中止されている模様です。

ブリザードは、こうした不正ツールはソフトウェア使用許諾契約に違反するものであり、対策に多額の費用が掛かった上、合法的に遊ぶプレイヤーがゲームを台無しにされたと主張。一方、BosslandのCEOであるZwetan Letschew氏は、訴えがなされたカリフォルニアの裁判所は、ドイツの会社であるBosslandには何ら権限を持たないとコメントしています。

同社はこれまでにも『World of Warcraft』、『Diablo3』、『Heroes of the Storm』といったブリザード製ゲームの不正ツールを販売。ブリザードはこれを訴えているものの、敗訴となったケースもあるといいますから一筋縄ではいかないようです。

こうしたツールが増加した背景には、経済的効果の大きさもあるようです。例えば、問題の『オーバーウォッチ』用チートツールは、1ヶ月あたり12.95ユーロ(約1400円)という月額制で提供されています。継続的に使うと、それだけ多くの額がBosslandに入る仕組み。同社の主張通りに26万人のユーザーがいるとすると、かなりの収入になっているであろうことは想像に難くありません。

ブリザードはこうしたチートツールに徹底抗戦していく構えで、『オーバーウォッチ』ではツール使用者を永久にBANするという姿勢を取っています。中国公式フォーラムではチートを使ったユーザー名を公表するという厳しい措置を執って話題となりました。

ゲーム業界がその規模を大きくしていく中で、チートツールとの戦いは避けて通れない関門のようなもの。訴訟の行方と、ブリザードの今後の取り組みが注目されます。