その後もアップルによる自動車関連企業からの引き抜きは続いており、2016年4月にもテスラやフォーミュラEに参戦するアンドレッティ・オートスポーツからCNC技術者を採用するなどの動きがありました。
アップルはこれまで一度も公式にProject Titanに触れておらず、誰がそのプロジェクトを率いているのかも含めてはっきりとしたことはわかっていません(WSJは2016年1月にProject Titan 責任者がアップルを離れたと報じていました)。今回の報道でアップル幹部として名の通ったボブ・マンズフィールド氏が浮上したことは、掴みどころのなかったこのプロジェクトがいよいよ実体を伴い始めたとも考えられそうです。
もちろん、マンズフィールド氏は自動車の専門家ではないかもしれません。ただ、過去には彼がMacBook AirやiPad、iMacといった、新しいジャンルを切り開く製品を世に送り出す役割を担ってきたのも事実です。アップルにとってまったく新しい分野となる自動車開発プロジェクトを、マンズフィールド氏に任せるのは自然な成り行きかもしれません。
なお、ボブ・マンズフィールド氏は2012年に一度アップルを離れることが報じられたものの、その後アップルがこれを撤回。以降は将来の製品のための研究開発部門を統括を担当、さらに2013年7月からはティム・クックCEO直下で特別プロジェクトを率いる役職に就いたとされていました。
またProject Titanは一般には自動運転EVという認識が広まってはいるものの、確定した事実はありません。一部にはUberやLyftのようなネットと連携する配車サービスを絡めた事業になるという見方もあります。アップルは今年、中国版Uberと呼ばれる Didi Chuxing(滴滴出行)に出資しています。