イタリア中部で発生したマグニチュード6.2の大地震は、少なくとも120人以上の死者を出す惨事となっています。現地では、生存者との連絡を少しでもつきやすくするため、赤十字などが生きているWiFiスポットのパスワード開放を呼びかけています。大地震などの災害発生時は、迂闊に電話を使うと通信回線がパンクしてしまうため、最低限の通信回線を確保する目的で外部からの通話発呼を大きく制限する輻輳(ふくそう)状態になります。このため、災害発生直後などは現地に家族や親戚、親しい人がいたとしても本人からの連絡を待つほうが良いとされます(日本では公衆電話などが災害発生時に優先的に利用できるようになっています)。

一方、パケット通信網の場合は通常の電話と違って回線を専有せずデータを細切れにして同時通信が可能となるため、まったくつながらない状況にはなりにくくなっているものの、それでも状況によっては全体のトラフィック量に制限を書ける場合もないとはいえません。またこれらはいずれも携帯電話基地局が稼働していればの話です。

イタリア中部地震の現場では、災害発生現地の人々とわずかでも連絡をつきやすくするため、赤十字などがWiFi通信のパスワードを開放、誰でも利用可能にするよう強力を求めています。これには、被災者が連絡を取りやすくするためという目的とともに、赤十字を含む災害派遣部隊が連絡を取りやすくする目的も含まれます。
 
 
もちろん、WiFi提供側もパスワード制限を一時的に開放すれば、不徳な輩にアクセスされるセキュリティ上の問題も発生します。ただ、それはルーターの設定知識があれば対応でき、また最悪は必要な情報をLANから切り離せば済むこと。ここは少しでも助かる可能性のある人を救うためにも多くWiFiアクセスポイント提供者が現れるのを祈りたいところです。

なお、イタリア・テレコムなどの携帯キャリアは衛星回線を持つ移動基地局や技術者部隊を編成して現地へ送り込んでいる模様です。

ちなみに今年4月に発生した熊本大地震では、携帯大手3キャリアが災害時用のWiFiスポットとして共通SSID「00000JAPAN」を提供していました。