2016年のPhotokinaで話題のひとつになっているのが、Leicaによるインスタントカメラ「Leica Sofort」です。感材には富士フイルムのチェキ用フィルム「INSTAX MINI」が利用できるほか、Leicaブランドのモノクロ及びカラーの感材が用意されています。本体の価格は300ドル(日本における予価は3万4560円)と、なかなか高価なガジェットですが、Leicaというブランド、そしてお洒落な外観も相まってさまざまな層にアピールしていくことになるでしょう。

さてインスタントフィルムと言えば、ある程度の年齢層が真っ先に思い浮かべるのが「ポラロイド」です。インスタントフィルムの代名詞的な存在と言っても過言ではありません。しかし、ポラロイド社は存続しているものの、現在ではインスタントフィルムの自社生産からは撤退してしまいました。撤退発表は2008年のことで、当時の大きなニュースになりました。

このポラロイド社の生産施設と生産機材、および資産の一部を引き継いで起業したのがオランダのIMPOSSBLE社です。同社はポラロイドの生産施設をリースで借り受け、その生産規模を縮小しながら、インスタントフィルム生産の存続を行ってきました。現在も、ポラロイド SX70、ポラロイド600シリーズ、ポラロイド SPECTRAなどに向けたインスタントフィルムを生産、販売しています。


▲現在のIMPOSSIBLE社のビジネスは、ポラロイドのインスタントカメラ向けインスタントフィルムの継続的な提供。


▲2016年に新製品として登場したインスタントカメラ、IMPOSSIBLE「I-1」。

▲ポラロイドのインスタントカメラの歴史と、新たに加わったIMPOSSIBLEの「I-1」。


 そのIMPOSSIBLEによる初めてのカメラ製品「I-1」の出荷がついに始まりました。日本でも、同社の日本オフィスであるIMPOSSIBLE TOKYOを通じて購入することができます。同社サイトにおける価格は3万8000円(税込)。


▲黒一色で、オールドタイプともいえる無骨なデザイン。LEDを使ったリングフラッシュとカメラ制御部分のためのMicro USB充電端子あたりが今風。


▲I-1の構造。撮影機能にデジタルな要素はほとんどない。カメラだけで撮る場合はプログラムオートで、フラッシュのON/OFF、露出をややオーバーあるいはアンダーにするといった設定ができる程度。

 I-1はオールドタイプの、言うなれば無骨なデザインをしています。カラーも黒一色で、操作ボタンなども最低限しか搭載されていません。一方で、スマホ時代における新しいインスタントカメラの在り方を模索しています。そのひとつが、スマートフォンと連携したコントロール機能です。iPhoneとAndroidを対象に専用アプリがApp StoreおよびGoogle Playを通じて提供されています。


▲iPhoneあるいはAndroidのスマートデバイスと組み合わせることで、様々な設定や操作が可能になる。


▲離れたところからスマートデバイスを使ってシャッターを切るリモートトリガー。


▲スマートフォンを隠したいときには、セルフタイマーモードで。


▲マニュアル撮影を選ぶと、絞り、シャッタースピード、焦点距離、フラッシュの発光強弱などを自在に調整することができる。

 Bluetoothで接続したスマートデバイスで行えるのは、まず定番のリモートトリガー。I-1をさまざまな場所に固定して自撮り写真を撮ることができます。カメラ本体だけでは、いわゆるプログラムオートで撮影するI-1も、アプリケーションを使うことで、絞り、シャッタースピード、フラッシュの強弱、ピント合わせなどをスマートデバイスを通じて制御するマニュアル撮影も可能になります。そのほか、セルフタイマー、多重露光、長時間露光によるライトペイントモード、そしてスマートフォンの操作で写真上に任意の色の光で絵を描くカラーペイントモードといったトリッッキーな撮影も可能となります。


▲ファインダー部分は折り畳むことができる。


▲I-1専用のインスタントフィルム。カラーとモノクロの二種類がある。


▲化粧箱。対応するフィルムはI-1専用のほか、ポラロイド600シリーズ向けのフィルムも利用できる。


▲Photokina会場でのIMPOSSIBLEブースの様子。

 スマートデバイスを駆使して凝りに凝った構成や構図でも、出力は一発勝負でレタッチの効かないインスタントフィルムです。こんなデジタルとアナログの交差から、新しいイメージが見つかるかも知れません。