ニュルの魔の森をEV最速で駆け抜けたNIO ep9は、そのNextEVが開発した電気で走るスーパースポーツカー。NIOはNextEVの新しいブランド名で、自動車としてよりも新しいライフスタイルを表したとのこと。
どこから見てもスーパーカーでしかないこのNIO ep9は各ホイールにモーターとギアボックスを備え合計出力は1360 ps(1340bhp)。0-100km/h加速は2.7秒、1/4マイル加速(いわゆるゼロヨン)は10.1秒というかなりの動力性能を誇ります。
車重は1735kgと比較的重めですが、そのうち635kgはバッテリーが占めるとのこと。このバッテリーが生み出す航続距離は427kmと、この手のスポーツEVとしてはなかなかのものといえるでしょう。
NextEVという名前を知っている人は殆どいないかもしれません。それもそのはず、EVメーカーと自称しつつも、まだNextEVは1台も市販車を製造、販売してはいません。もし、どこかで聞いたことがあると思った人は、おそらくフォーミュラEを見たことがあるはず。NextEVはフォーミュラEに第1シーズンの途中からチャイナレーシングと合流し、NEXTEV TCRチームとしてでネルソン・ピケJr.をドライバーズチャンピオンの座に輝かせています。
NIO ep9の開発には、性能を追求するためにフォーミュラEチームのエンジニアが携わっているとのこと。ただ、これだけのものを作っておきながらNIO ep9には販売の予定がありません。AutoExpressによると、普通に作ればおよそ120万ドル(約1億3000万円)はするであろうNIO ep9はたった6台だけが生産され、そのいずれもがすでにNextEV幹部のものになったとのこと。
NextEVは2017年にはEV市販車を発売するとしています。おそらくそれはテスラ Model 3と競合する車格のものになる見込みです。
ちなみにNIO ep9はニュルのあと、仏ポールリカールサーキットでもラップレコードを記録しています。