※初出時、寿美菜子さんのお名前が間違っておりました。お詫びして訂正いたします。
今年の2月、スペイン・バルセロナで開催された「MWC 2016」で、ソニーから発表された「Xperiaスマートプロダクト」の1つとして、「Xperia Ear」がありました。
あれから待つこと約9ヵ月、楽しみに待っていた「Xperia Ear」が11月18日に発売となりようやく手に入りました。価格は1万9880円(税別)です。
さて、この「Xperia Ear」は、何をするものかというと、ヘッドセットを小さくして片方の耳に装着して、スマートフォンとワイヤレスに接続して、ハンズフリーでいろいろなコミュニケーションができるアイテムです。
と言ってもピンとこないので早速使ってみます。
まずは見た目ですが、サイズが約15.2×29.3×24.3mmで約6.6gというもうそのまま小さい片耳タイプのBluetoothのインナーイヤーヘッドホンです。
片耳タイプというと耳に引っ掛けるフックタイプが一般的ですが、「Xperia Ear」はそのまま耳にズボっと入れます。
最初、耳に装着して簡単に落ちてしまわないかが不安ですが、フィット感をよくするためにいろいろとオプションパーツが揃っていて、サイズ違いのイヤーピースが4種類、アークサポーターと言われるものがこちらもサイズ違いで4種類あります。
イヤーピースは耳の穴に入れ込んで支えるか、アークサポーターで耳のくぼみに引っ掛けて支えるようになっており、例えば耳の穴にしっかり収まったほうがイイという場合もあれば、耳のくぼみで支えて耳の穴で圧迫されたくないと言った具合に、好みによって形を変えられます。
それから、「Xperia Ear」自体のバッテリーの持ちは、連続通話時間で4時間くらいなので、さすがにつけっぱなしで1日中使うには不安があります。
そんなとき便利なものが、「Xperia Ear」専用のケースで、ただ単純に本体を収めるだけじゃなく、ケース自体にバッテリーを内蔵しているので入れておくと充電もできます。
専用ケースのバッテリーが12時間分ということなので、約3回「Xperia Ear」を充電できると考えても良いです。
ケースのサイズはは、約29×41×60mm、質量は約39g。本体と合わせても約45.6gと軽くて邪魔になる事もありません。
フタを開けるときはカチっと横にスライドさせるとパコンとあくギミックがわりとクセになりそうです。
早速使ってみましょう。
「Xperia Ear」にはNFCが搭載されているので、スマートフォンのXperiaのNFCマークを近づけると、ピコリンとペアリングを完了してくれます。
Androidの専用アプリの名前もズバリ「Xperia Ear」アプリです。
「Xperia Ear」を耳にくっつけると、「こんにちは!11月22日火曜日午前時○分です。東京の品川の天気は晴れ、最高気温15度、最低気温11度です。」などと話してくれます。しかもなめらかに。
アシスタントの声の主は、声優の寿美菜子さん。主要なアニメのキャラクターを担当しているので知る人ぞ知る有名声優さんです。
いやし系のボイスでアシストしてくれるので誰でも聞きやすく、もちろん特定のキャラ好きな人にとっては脳内で変換して楽しむこともできるかもしれません。
そして聞いていて驚くのが、特定の"フレーズ"だけではなくて、長い文章を読み上げていくときの発音のつながりがものすごく自然だということです。
本当に普通にしゃべっているように聞こえるので、ロボット的な違和感がないというのが、「Googleアプリ」の音声検索とは違うところです。
さて、毎回耳に装着すると、近接センサーが働いて"いろいろ"話してくれます。
この"いろいろ"話す内容は、あらかじめ自分で決めておけるようになっていて、「初めてのあいさつ」、「日付/時間」、「電池残量低下のお知らせ」、「不在着信のお知らせ」、「未読メッセージのお知らせ」、「予定」、「天気」、「ニュース」、「終わりのあいさつ」などから読み上げて欲しいものだけを選んでおくことができます。
そんなの毎回同じ内容を話してくるんじゃ......という心配がありますが、ちゃんと装着するタイミングや回数といった状況にあわせて、話してくれる内容は変化しているのでイライラすることはありません。
それから、通知があればそれも読み上げてくれます。
これがなかなかに便利で、メッセージやメール、カレンダーといったものの内容を読み上げてくれます。
「ピポリン♪○○さんからメッセージ、内容は~~」と読んでくれるので、スマホを開かなくても、別の事をしながら聞き流しができます。
通知をしてくれるアイテムはたくさんありますが、そのままほかの行動を制限されることがない音声でお知らせという感覚がなかなかに新鮮。
すぐに知りたい人からの内容であればすぐさまスマホを開けば良いので、このサポートしてくれるぐらいのところがいい具合なのです。
また、自らアクションを起こしたい場合は、「Xperia Ear」にあるボタンをポチっと押します。
「お話下さい」と言われたあとに、「今何時?」とか「予定教えて」、「地図をみせて」、「ほにゃらら(アーティスト名)の曲かけて」、「ルート探索」などと話すと、それぞれに応えたアプリを開いてくれます。
ただしこれは、万能というわけではなくて、ある特定の機能に対して応えてくれるものなので、どちらかというとこれを使う自分自身のトレーニングのほうが必要になります。
おもしろい使い方としては、「声で起動するアプリ」としてよく使うアプリを、アプリを起動するワードとともに登録しておくことができます。
例えば「ポケモンGo」を選び、アプリを起動するワードを「ポケモン」と登録しておくと、「ポケモンを起動して」と話しかければ、スマートフォンを操作しなくてもハンズフリーで「ポケモンGo」を起動してくれます。
あぁ、これはポケモンハンターが捗ります。
おまけに「ポケモンGo」のBGMはBluetooth接続されている「Xperia Ear」から聞こえてくるので外でも恥ずかしくありません。
ちなみに、というか何でもかんでも声を出してコントロールするのは便利そうですが、意外と外でやるとまるで独り言をしゃべってるようで恥ずかしい場合もあります。
それをほんの少しだけ緩和してくれる機能として、「Xperia Ear」には加速度センサーとジャイロセンサーが搭載されているので、通話やメッセージの返信希望をしたいときに「ハイ」とか「イイエ」と言葉を発さなくても、首を縦に降る(はい)、横に降る(いいえ)というヘッドジェスチャーでも反応してくれます。
この「Xperia Ear」のこうした応対は、「アシスタント for Xperia Ear」というアシスタント機能で動いています。
が、中には「Googleアプリ」の音声検索のほうが認識率もいいし便利よね、という元も子もないことを思う人もいるはずです。
実は、「Xperia Ear」のアプリは当たり前に「Googleアプリ」音声検索も選べるようになっていてというか、そもそも併用して使うというワザも使えます。
「Xperia Ear」にあるボタンを「短押し」のときには「アシスタント for Xperia Ear」、「長押し」のときには「Googleアプリ」の音声検索、と使い分けができます。
使い慣れてくると、両方のアシスタントを駆使して聞きたいことに応じて自分で使い分けられるようになるので、これがまた強烈に便利になります。
まぁ筆者個人的には、頻繁にガツガツ検索するというよりは、普段の生活で「Xperia Ear」を耳につけると、寿美菜子さんのやさしい声で朝あいさつをしてくれて、日付や天気、毎日のニュースを教えてくれる、メッセージやメール、スケジュールがきたら声でお知らせしてくれる。
これだけで幸せな気分になっています。
ガチなガジェットとしても使えますが、いつも耳元でささやいてくれる癒し系グッズとしても十分に価値がある、それが「Xperia Ear」です。