ZenFone 4シリーズ6機種、世界の商戦期へ… 全機種デュアルカメラ押しの理由:山根博士のスマホよもやま話

カメラ重視の明快戦略で年末の激戦へ挑む

山根博士 (Yasuhiro Yamane)
山根博士 (Yasuhiro Yamane), @hkyamane
2017年08月21日, 午前 06:00 in asus
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ASUSは2017年8月17日に製品発表会を開催し、ZenFone 4シリーズを一気に5機種投入した。2017年も下半期に入るこの時期に多数の製品を出したのは、年末商戦に向けてラインナップを一新し消費者に新たな体験を提供しようとする狙いがある。すでに発売されている「ZenFone 4 Max」と合わせ、3シリーズ6モデルが出そろった。


▲3つのシリーズ、それぞれ「Pro」モデルを合わせ、6機種展開となるZenFone 4。

これまでのZenFoneシリーズはコストパフォーマンスを売りにした製品を中心にラインナップを拡大してきた。しかし、今回は戦略を大きく変えて「カメラフォン」としての存在をアピール。発表会は「We Love Photo」をキャッチコピーに各製品ともカメラ機能を中心とした製品紹介が行なわれた。


▲We Love Photoをキャッチに新製品を説明するジョニー・シー会長。端末のVの字の組み合わせはハート=Love。

ZenFone 4とZenFone 4 Proはワイドと望遠(光学ズーム)を特徴としている。望遠機能の強化は各社が進めているが、ASUSはワイド側にもスポットライトを当て、集合写真すなわち「We」で撮影するときの機能を強化している。


▲広角レンズは集合写真だけではなく、たとえばこんなシーンの撮影にも適している。

ZenFone 4 SelfieとZenFone 4 Selfie Proはフロントカメラをデュアル化、複数人で撮る「WeFie(ウィーフィー=セルフィーの複数版)にも対応。やはり「We」を意識した製品になっている。またセルフィーも背景をぼかした「ポートレートモード」の撮影にも対応し、よりアーティスティックな自撮りも可能にした。


▲セルフィーだけではなくウィーフィーにも対応。これは新しい体験。

ZenFone 4はミッドレンジモデルながらRAM 6GBモデルも用意し、ZenFone 4 ProはSnapdragon835を搭載するなど、どちらも性能は高い。価格はZenFone 4が399ドルから、ZenFone 4 Proが599ドルからで、昨年モデルのZenFone 3の249ドルから、ZenFone 3 Deluxeの499ドルと比べると引き上げられている。デュアルカメラを搭載したこともあり、価格はやや強気に攻めているようだ。


▲599ドルのZenFone 4 Pro。スペックを考えると他社と十分戦える価格。

一方でセルフィーモデルが2機種あるが、ZenFone 4 Selfieが279ドル、ZenFone 4 Selfie Proが379ドルとなる。すなわち、この2機種はZenFone 4の下側に属する製品となる。そして、ZenFone 4 Max Proの価格は好評だったが、ZenFone 4 Maxが13900ルーブル=約235ドルであることを考えると、250ドルから300ドルの間の価格設定となるだろう。


▲279ドルから買えるZenFone 4 Selfie。

ZenFone 4シリーズ6モデルを価格帯で分けると以下のような構成となる。

600ドル前後:ZenFone 4 Pro
400ドル前後:ZenFone 4、ZenFone 4 Selfie Pro
300ドル前後:ZenFone 4 Selfie、ZenFone 4 Max Pro
200ドル前後:ZenFone 4 Max

スペック重視のユーザー向けには高価格帯を、カメラを楽しみたいユーザーにはその下の価格の製品を、そして手軽にセルフィーを楽しんだり電池のもちを重要視するユーザーには、もう少し手の届きやすい300ドル弱のモデルを、さらに「スマホの電池切れを気にしたくない」と考える層に低価格品と、6つのモデルを4つの価格に振り分けている。最も購入層が多い価格レンジに2モデルずつ割り当てているというわけだ。


▲8月17日発表の5機種と、ロシア先行販売の1機種を合わせ、6モデルの価格を巧妙に振り分けている。

先進国では400~600ドルの製品が売れ筋になるだろうし、新興国では200~300ドルの製品に人気が集まる。先進国ではZenFone 4 Maxは販売されないかもしれないし、新興国ではZenFone 4 ProはASUSの「顔」となるフラッグシップモデルというブランドをけん引する役割を果たすため、販売数はさほど見込んでないかもしれない。すべての製品をすべての国でまんべんなく売るのではなく、あらゆる国をカバーできる製品として6モデルをそろえたと考えられる。


▲会場に展示されていたZenFone 4 Max Proは技適あり。この製品の日本投入は確実だろう。

ASUSは、これまで数多くのZenFoneモデルをリリースしており、画面サイズや解像度の異なる派生モデルも多かった。同じ製品でも先進国向けに「大画面・フルHD」モデルを、新興国向けに「中型サイズ・HD」とディスプレー性能を変え価格を引き下げた製品を投入するケースもあった。ノートPCと同じ手法でスマートフォンの価格をコントロールし、各国市場に合った製品を次々と世に送り出してきた。

画面サイズや解像度が異なればユーザー体験も異なってくる。ましてやカメラを強化すれば、解像度がフルHDとHDのモデルを同じ製品として扱うのは難しくなる。ZenFone 4シリーズは各国ごとに細かいスペック違いのモデルを投入してきた過去の製品展開戦略から大きな方向転換を計ったのだ。

今やデュアルカメラも当たり前の機能であり、これだけでは目新しさは感じにくい。そこでASUSはバッテリー強化のZenFone 4 Max、同Proもデュアルカメラ化し、「全機種デュアルカメラ」とすることでシリーズ全体がカメラ強化製品であることを大きくアピールしている。Maxシリーズをデュアルカメラ化する必然性や、ユーザーニーズがあるかどうかは不明だが、「ZenFone 4と名前の付く製品すべてがデュアルカメラ」、というラインナップはユーザーに対し特徴を訴求しやすい。


▲「全モデルがデュアルカメラ」明快な製品特徴で世界を攻める。

ライカカメラでアピールするファーウェイ、「前後2000万画素」というわかりやすい性能で新興国でのシェアを着々と高めているOPPO(オッポ)。サムスンとアップルに続くシェア3位、4位のメーカーに対し、ASUSは真っ向からカメラを武器に勝負をかけようとしている。


 
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