先月発表されたばかりのASUSの新端末ZenFone 4シリーズ。その中で普及帯のミドルクラス端末、ZenFone 4 ZE554KLをExpansysからお借りしました。ZE554KLにはSnapdragon 660 / RAM6GBのモデルもありますが、今回お借りしたのは価格が安いSnapdragon 630 / RAM4GBのモデルです。
ZenFone 4シリーズ発表。フロントも2眼カメラ、有機EL採用など全4機種
ZenFone 4シリーズ6機種、世界の商戦期へ... 全機種デュアルカメラ押しの理由:山根博士のスマホよもやま話
全体的にスッキリした外観
まずは外観から。パッケージにもZenFone 4のシンボルでもあるV字マークが刻印されています。ZenFone 4のキャッチコピーは「We Love Photo」。端末を重ねたV字はハートマークを表しているとのこと。同梱物はUSB-ACアダプタ、USB Type-Cケーブル、イヤホン。先代のZenFone 3と同じ構成です。なお、これ以外にTPUのクリアケースが付属しています(後述)。
本体の雰囲気はZenFone 3に近い印象ですが、ホームボタン兼用の指紋センサが前面に来ているのが大きな違いです。
背面は、指紋センサがなく、カメラ部の出っ張りもなくなったので非常にスッキリしました。ZenFone特有のZen(禅)パターンも健在です。
正面向かって右側面にボリュームと電源。
左側面にSIMスロット。
SIMスロットはnano SIMのデュアル仕様。片側がmicroSDと兼用です。なお、3Gと4GのDSDSに対応しています。
USBポートはType-C。3.5mmジャックも底面にあります。
先に書いたTPUの付属ケースは、装着すると下記のような感じです。
ごく一般的なTPUケースですが、さすがに付属品だけあってサイズはピッタリ。ボタン類も綺麗にくり抜かれています。
気になるカメラ性能をチェック
最初に書いた通り、ZenFone 4のキャッチコピーは「We Love Photo」。やっぱり気になるのはそのカメラ性能です。
ZenFone 4のデュアルカメラは12MP 焦点距離25mmの主レンズと8MP 12mmの広角レンズを切り替えて使う方式。カメラのUI上で簡単に切り替えが可能です。
▲右端のマークで切り替え可能
なお、被写体の背景をぼかす「ポートレートモード」も搭載していますが、2つのカメラを組み合わせているわけではなく、あくまでも片側のカメラの画像をソフトウェアで処理しているだけのようです。
カメラの操作はシャッターを切ってから(ボタンをタッチしてから)実際に撮影されるまでのシャッターラグを感じることもなく、非常にスムーズ。ただし、オートフォーカスではホワイトバランスを迷うシーンが度々ありました。何度か構えなおしたり、タッチ操作でフォーカスを合わせると上手くいくことが多かったので、この辺りは今後の改善に期待したいところです。
Proモードではホワイトバランスをはじめ、ISO感度やシャッター速度などを自由に設定できます。また、ProモードのみRAWでの保存にも対応します。
▲Proモードの表示
音にもこだわり
デュアルカメラばかりが注目されているZenFone 4ですが、音のほうにもかなり力が入っています。デュアルスピーカー搭載でステレオ再生に対応しているのはもちろんのこと、24bit/192kHzのハイレゾオーディオに対応。また、オーディオウィザードを使用して、自分好みに音をチューニングすることも可能です。
本体のスピーカーだけでなく、イヤホンを使用した場合の調整もできます。HTC U11のように自動で調整してくれるわけではありませんが、使用するイヤホン毎に設定を変えることが可能です。
▲あまり話題になりませんが、この機能はかなりいい。
ベンチマーク
ベンチマーク結果は下記の通り。せっかくなの先代のZenFone 3(Snapdragon 625)のスコアも併記します。ベンチマークソフト | ZenFone 4 | ZenFone 3 |
Quadrant | 21539 | 38068 |
AnTuTu | 68360 | 57439 |
GeekBench4 シングル | 867 | 827 |
GeekBench4 マルチ | 4124 | 3986 |
3DMark | 841 | 464 |
グラフィックのスコアが大きく伸びており、スコアだけならSnpadragon 650に近い値です。Snapdragon 625/626はGPUがAdreno 506でしたが、630ではAdreno 508に変更されたので、それがスコアに反映しているようです。
まとめ
特徴であるカメラ機能については、正直に言うと、あえてデュアルである必要は感じませんでした。せっかくデュアルにするのであれば、2つのカメラを使ってボケ味の調整が出来るなどの機能が欲しかったところです。後からアップデートで対応できるのかもしれませんが、現状では2つ別々のカメラが乗っただけという気がします。ただ、それ以外の部分には特にこれといった不満はなく、特にオーディオ機能については、カメラよりも、むしろこちらを売りにしたほうが良いのではないかと思える出来です。
今回はZenFone 4の中でもSnapdragon 630 / 4GB版を試しましたが、操作等に関してはまったく不自由はなく、引っかかりやアプリの立ち上がりの遅さなども気になることはありませんでした。
3Dゲームなど負荷の高いアプリを使うと差があらわれるのかもしれませんが、ゲームはするけど2Dのカジュアルなゲームがメインということであれば、あえてSnapdragon 660 / 6GBモデルに手を出す必要はなさそうです。
何にしろ、百花繚乱のミドルクラス端末の中で、デザイン・仕様ともにバランスの取れた端末だと思います。あとは国内での価格次第ですが、ZenFone 3同様に人気モデルとなりそうです。
関連サイト:EXPANSYSジャパン (ZeFone 4販売ページ)