発売が2か月以上遅延し、会社の役員が続けて退職するなど本当に出るのがハラハラすることもありましたが、まずはリリースされて一安心。
Androidの父が新スマホEssential PH-1発表。チタン&セラミックに狭額フル画面、拡張モジュール対応のハイエンド
外観
パッケージは最近のスマートフォンにしてはやや大きめ。▲側面からの引き出し式。
付属品はUSB Type-Cケーブル(両端ともType-C)、USB-ACアダプタ、USB Type-C to 3.5mm変換アダプタで、イヤホンは付属しません。
本体のデザイン非常にスッキリした印象。右側面のボリュームと電源ボタン以外に出っ張りもありません。
背面はセラミック製。カメラは13MPのデュアルですが、出っ張りはなく、むしろ一段凹んでいます。カメラ右側にある2つの端子がアクセサリー用のコネクタです。
SIMスロットは底面にあります。シングルSIM仕様でmicroSDには非対応です。
▲SIM抜きピンがEssentialのロゴになっています
▲iPhone 7よりもやや大きい程度
デザインや手に持った感触など、非常に高級感があり、所有欲は十二分に満たしてくれます。
特徴的なディプレイとカメラ部分の凹み
Essential Phoneでまず気になるが、3方ベゼルレスなディスプレイとフロントカメラの凹部です。最初に見たときには「これは邪魔だろう!」と思ったのですが、実際にはそんなことはなく、ほとんど気になりません。
ホーム画面やGoogleフォトなど、上部のステータスバーを透過して使えるアプリの場合、縦画面であれば上部まで目いっぱい利用可能です。
▲Googleフォトで縦画面表示。上部まで表示ができます。
ただし、横画面にした場合、ちょうどカメラ部分の下側まで何も表示されません。
▲左側に空間ができ、もとからディスプレイなどないかのよう。
この状態でスクリーンショットを撮ると、左側に黒い帯が出来ているのがよくわかります。
▲左側に帯ができます。
これは他のアプリでも同様。動画を観る際にも凹部分には何も表示されません。
▲YouTubeの動画を再生。やはりフロントカメラ部には何も表示されません。
横画面時に凹部分には何も表示されないため、結果としてこの凹部はまったく気になりません。Essential Phoneの下側ベゼルはやや広く、横向きで使った際に画面が片側に寄り違和感が生まれないようにとの配慮もあるのでしょう。上手く制御しているとも言えますが、この部分も含めて全画面で表示するオプションがあって良かった気がします。
▲iPhone Xの紹介では、ディスプレイの凹み部分でゲーム画面が切れてしまっていました。こうなるよりはいいのかもしれません。
オリジナルのカメラアプリが曲者
Essential Phoneはほぼ素のAndroidを搭載しており、初期アプリもシンプルです。▲ランチャーはAndroid標準のLauncher3(左)、初期アプリ(右)
この中で唯一オリジナルなのでカメラアプリです。Essential Phoneのリアカメラは13MP x 2のデュアルで、片方がRGB、もう片方が白黒の組み合わせ。HUAWEI P9やP10でも使われている構成で、この2つを組み合わせることで画質の向上を図っています。このためAndroid標準のカメラアプリでは対応できず、オリジナルのアプリを作ったのだと思います。
▲背面のデュアルカメラ。向かって左がRGB、右がモノクロ
しかし、このカメラアプリがかなりの曲者です。
まず撮影モードですが、「Auto」「Mono」の2つと動画撮影時の「Slow-Mo」だけ。ISOやシャッタースピード調整できるマニュアルモードや美肌モードなどはありません。それ以前に保存するファイルのサイズを指定したり、グリッド表示を行うような設定もありません。
設定できるのはHDR撮影とフラッシュの有無、シャッター音を鳴らすかどうかくらいのもの。動画撮影時にはHDや4Kなどのサイズ指定ができますが、本当にそれだけしかありません。
▲せめてグリッド表示はしたい
肝心の作例は下記。全体的にやや彩度が低い気がしますが、暗部もつぶれずに撮れています。
専用アクセサリの360度カメラ
360度カメラは背面に取り付けます。マグネットで固定されており、意図せず外れてしまうようなことはなさそうです。カメラと本体の通信は60GHz 6Gbpsのワイヤレスで行われており、アクセサリピンは電源供給のみに使われています。
▲ちなみに、この360度カメラには技適マークがありました。
360度カメラで撮影するアプリは、先ほど紹介した標準搭載のカメラアプリです。360度カメラを接続するとモードが360度専用に切り替わります。
▲通常モード(左)と360度撮影モード(右)
撮影自体は、ごく普通の360度写真が撮れるだけで、リトルプラネットなどの加工した画像にはできません。
▲Facebookなどにアップロードすれば360度画像として利用可能
まとめ
デザインや質感などが素晴らしい反面、ソフトウェア的な目新しさは特になく、カメラに関しては未完成としか言えず、とてもアンバランス。発売前の話題性が大きかっただけに、評価基準が上がってしまっている可能性は否定できませんが、専用アクセサリの360度カメラにしても、これといった特徴はなくやや拍子抜けといった印象です。もう少し頑張ってくれないと、もともとのコンセプトであった数年使い続けられる端末からは程遠いというのが正直な感想です。
ただ、アップデートは頻繁に行われており、今後の進化に期待したいところです。
最後になりましたが、今回の購入経路を紹介します。Essential Phoneは米Amazonからも購入可能ですが、360度カメラが50ドルで購入できる初期のキャンペーンにつられて公式サイトから購入。ただし、日本への直送は行っていないため、米国内の転送サービス業者を利用しました。
Essential Phoneと360度カメラが別送になったため、日本への送料が若干割高になってしまいましたが、本体699ドル+転送料金33ドル+国内消費税3500円、カメラのほうは50ドル+転送料金31ドルで、合計約9万3000円ほどとなりました。