連邦破産法第11章は日本で言えば民事再生法に近い制度。したがって今すぐ米トイザらスの店舗がすべて店じまいとなるわけではありません。トイザらスの会長兼CEOデイブ・ブランドン氏は「今日、トイザらスは新しい時代を迎え、これにより長らく影響を及ぼしてきた財政的問題が効果的に解決されることに期待します。そしてトイザらスブランドが世代を超えて親しまれ、続いていくことを確信しています」との声明を発表しました。
米トイザらスはすでに30億ドル以上のDIPファイナンス(計画認可決定前までの融資)の約束を受け「財務健全性を改善する法的プロセスの間の進行中も事業活動を支援していく」としています。
オンラインショッピングでのし上がってきた米Amazonは、2016年の玩具売上高を40億ドルにまで伸ばしました。これは米トイザらスの1/3を上回ります。一方トイザらスは、オンラインによるバーゲン競争と低価格攻勢に押され、この5年間売上高を減らし続けていました。
再建にはトイザらスの店舗だけでなくウェブサイトも当然含まれます。またベビー用品を扱うベビーザらスの根本的な改善も含まれており、Amazonで手軽に手に入る紙おむつなどでなくベビーベッドといったより付加価値の高い商品にフォーカスするとしています。
オンライン店舗のリニューアルに関してはすでに1年以上の期間と約1億ドルもの予算を投じているものの、いまだAmazonどころかターゲットやウォルマートのレベルにも追いつけていないとの評価しかえられていません。
ちなみに東京商工リサーチは、米トイザらスの破産申請の可能性が伝えられた9月6日の時点で、日本に160店舗を構え、業績も順調とされる日本トイザらスへの直接的な影響はないと報じていました。ただ、実質的な親会社となるトイザらス・アジア・リミテッドには米トイザらスが約85%を出資しており、今後のなりゆきは注目されるところです。
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