10月に発表・発売開始されたGoogleの最新スマートフォン Pixel 2 XLを購入してみました。米Google Storeで購入し、転送業者を通じで日本へ発送。本体は649ドル(約7万4000円)、転送料は31ドル(約3500円)で、受け取り時に国内消費税4400円がかかりました。
外観レビュー
Pixel 2 XLのディスプレイは6.0インチ。2880 x 1440で行りの18:9ディスプレイです。同時に発表された小型版のPixel 2と比べると上下のベゼルは薄くなっていますが、ベゼルレスと呼べるほどではありません。左右のベゼルも厚めです。ディスプレイ部にはかかっていませんが、周辺が綺麗に湾曲しており保護シートの類は貼るのが難しそうです。
背面は上部がプラスチック、下部はアルミのセパレートデザイン。最近は背面もガラスやセラミックでピカピカの端末が多い中、アルミ部はサンドブラスト加工のマット仕上げ。手に持ったときにも滑りにくくなっています。
電源とボリュームは向かって右側面。SIMスロットは左側面にあります。SIMはシングル仕様でmicroSDにも非対応。なお、SIMスロットに端末のIMEIが記載されていました。設定メニューをたどったり、箱で確認する必要がないので意外と便利かもしれません。
▲SIMスロット下部(グレーで塗った部分)にIMEIが記載されています。
なお、付属品はUSB-ACアダプタ(18W)、USB-Cケーブル、USB-C to 3.5mm変換アダプタ、USB-C to USB-Aアダプタ。
6.3インチのGalaxy Note8と並べると縦幅はさすがに小さいですが、左右のベゼルが広いため、Pixel 2 XLのほうが横幅があります(Pixel 2 XLは76.7mm、Galaxy Note8は75mm)。
5.8インチのiPhone Xと並べると、Pixel 2 XLのディスプレイ部にちょうど収まりそうなサイズ感です(iPhone Xの横幅は70.9mm)。
POLEDディスプレイは色の変化が気になる
Pixel 2 XLのディスプレイは、一部で画面の焼き付きや残像が残るなどの問題が指摘されていますが、手元の端末ではまだ気にはなりません。ただ、正面からでは気にならないものの、少し横から見ると画面が青みがかります。AMOLEDを採用したPixel 2では指摘されていないので、これはPixel 2 XLが採用するPOLEDの特性なのかもしれません。
▲少し傾けるだけで顕著に色味が変わります。
ホーム画面やアプリの画面では気になりませんが、白背景の場合にはかなり目立ちます。あまり横から見ることもないので、慣れてしまえば気にならないのかもしれませんが......。
握って操作のActive EdgeはGoogleアシスタント限定
Pixel 2、Pixel 2 XLが搭載する特徴的な機能の1つが側面を握って操作できるActive Edgeです。HTCのU11が採用したEdge Senseと同様の機能ですが、Pixel 2/2 XLではGoogleアシスタントの起動にしか利用できません。▲現状はGoogleアシスタントの起動のみ
Galaxy S8やNote8のBixbyボタンもBixby専用ですが、せっかく便利な機能なのですから、ユーザーによるカスタマイズにはぜひとも対応して欲しいところです。
▲握る強さは調整可能です。
シングルカメラでもポートレートモードが利用可能
Pixel 2 /2 XLのカメラはDxOMarkで最高得点の高評価を得ています。写真の写り自体は好みの影響も大きいのですが、撮影した感じではレスポンスも良く、シャッターラグも感じません。このカメラの特徴として、他社が2つのカメラを使って実現している、背景にボケ味を加えるポートレートモードにシングルカメラながら対応しています。これはリア、フロント共に利用可能。Googleお得意の画像認識と機械学習を使っているとのこと。試した範囲では不自然さは全く感じません。
▲ポートレートモードで撮影。なお、ボケ味の調整などはできません。
▲こちらは未処理の写真。ポートレートモードでは2つの画像が記録されます。
なお、Pixel 2 / 2XLで撮影した写真は2020年末まで元画質のまま容量無制限でGoogleフォトにアップロードが可能との話でしたが、アプリを確認すると2021年1月16日までとなっていました。
その他の撮影サンプルは下記。
その他、ホーム画面など
ホームはPixel Launcher。検索バーが従来の上部から下部に移動となりましたが、この検索バーと上部の日付・天気はウィジェットではなく固定。削除や移動はできません。
アプリも最低限のものしかありませんが、デフォルトでDaydreamが入っています。
購入したのは64GBモデルですが、初期状態で12.54GBを使用。microSDが使えないことを考えると、写真はGoogleフォトにバックアップするとしても、アプリや動画を大量に入れる人にはやや心許ないかもしれません
日本での販売を期待したい
点数をつけるとするなら、10段階で8といったところ。ディスプレイの色味(傾けた際の変色)とActive EdgeがGoogleアシスタントにしか使えないのが減点要素ですが、それ以外では特に不満もなく、非常にシンプルな印象を受ける端末です。それだけに、Galaxy Note8やXperia XZ Premium、iPhone 8など、同価格帯にそれぞれ特徴を持った端末がある中で、最新OSが使えるというだけで勝負するにはやや厳しいものも感じます。
ただ、Android 8.0のリファレンスモデルとしてはそれで正解なのでしょう。
また、ディスプレイの不具合や、本体からクリックノイズが聞こえるなどの不具合が報告されていることもやや残念な点です。直近では、OSがインストールされていない端末が出荷されるなど管理体制が問われそうな問題も発生しているようです。
この辺りの問題を早く解決し、月並みですが、日本での発売を期待したいところです。