Bloombergは、アップルがスマートフォンを使う簡易型のARヘッドセットには興味はなく、自前のスクリーンを備え単体で動作するARヘッドセットを、2020年の市場投入する見込みだと報じています。そして、アップルは2007年にiPhoneが携帯電話市場を変えたように、AR/VRの状況をガラリと転換させようとしていると伝えました。
このARヘッドセットにはrOSと呼ばれる新しいOSが搭載され、AR専用のAppStoreが用意される可能性もあるとのこと。ただ、このヘッドセットでアプリを操作するためにどういう手段が採用されるのか、たとえばヘッドジェスチャーなのかSiriを使うのかといったことは、まだ決められていないとされます。
またアップルのチームは現在、iPhoneを画面表示に使うARゴーグルを開発しているものの、これはあくまで開発機であり、市販予定はないとのこと。さらには、HTC Viveを開発機として使用する選択肢も検討中とか。
ティム・クックCEOは7月に実施した2017年上半期の収支報告の際、社内でARへの関心が高まっていること、そしてユーザーにとって素晴らしいAR製品を作れば、そこには大きな商業的機会があることなどを語っていました。一方で10月にはThe Independentに対し、アップルがARゴーグルを作るにはまだ技術的な課題があり、特に「視野の広さやディスプレイの品質はまだまだ低すぎる」としていました。
ところでアップルのARヘッドセットが、iPhoneが登場したときのようなインパクトをもたらすとするなら、いったいどんな製品になるのでしょうか。いくら想像をこらしても、アイアンマンのマスクをかぶってSiriと会話するような場面しか思い浮かばない自らの発想の貧困さに愕然とするばかりです。