コンセプトモデルといいつつ、APEXはスマートフォンとして動作するように作られており、カメラを起動すれば、画面上部エッジ部分から「にゅっ」とばかりにカメラ部がせり上がってきます。その動作は決して安っぽいものではなく、0.8秒で撮影可能な状態になります。もちろん、ホコリの溜まったポケットなどに入れて持ち運ばれるスマートフォンにとっては、このようなモーター制御の可動部分は潜在的な故障リスクを高めます。それでも動作する様子はなかなかうまくてきているように思えます。
自撮りカメラと同じく、全面ディスプレイ化によって居場所を失った通話用のスピーカーは、ディスプレイ下に挟み込まれたエキサイターによってその音量を補うようになっており、本家Engadgetの記者が通話を試したところでは問題なく音声を聞き取れたとのこと。
さて機能の説明だけをみれば、もうこのまま製品化すればいいのにとも思えるAPEXですが、あくまで現段階ではコンセプトモデルとしての試作品。前述のカメラ可動部分や、超音波式指紋認証の動作精度といった部分はまだまだ耐久性や動作精度が十分なレベルにありません。
とはいえVivoが今後こうした技術的課題をしっかり解決していくならば、いずれはノッチのない真の全面ディスプレイスマートフォンが発売されるかもしれません。Vivo APEXは、特にiPhone Xや昨今のノッチつきディスプレイ搭載スマートフォンがちっともスマートに思えないアンチノッチ派にとって、期待できるコンセプト作と言えそうです。
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