新型VRヘッドセット「VIVE Pro」実機レビュー 格子模様からの限定的な解放、後戻りできない解像感

「VRカノジョ」の夕陽さくらちゃんがより美肌に!

ジャイアン鈴木
ジャイアン鈴木, @giansuzuki
2018年03月22日, 午前 10:00 in Wearables
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HTC NIPPONは4月6日、新型VRヘッドセット「VIVE Pro HMD(アップグレードキット)」を9万4000円(税別)で発売します。本製品は現行のVIVEをVIVE Pro HMDにアップグレードするキット。コントローラーやベースステーションを流用することで、比較的低価格で上位モデルにアップグレード可能です。今回HTC NIPPONより発売に先駆けて製品を借用したので、実機レビューをお届けします。

VIVE Pro HMD(アップグレードキット)には、ヘッドセット、リンクボックス、電源アダプタ、DisplayPortケーブル、USB3.0ケーブル、イヤホンの穴用キャップ×2、マウントキット、クリーニングクロス、取扱説明書が同梱されています。今回の借用機には、クリーニングクロスと取扱説明書は同梱されていませんでした。


VIVE Pro HMD(アップグレードキット)のパッケージ


VIVE Pro HMD(アップグレードキット)の同梱品。クリーニングクロスと取扱説明書は同梱されていませんでした


ヘッドセット前面


前面にはVGA画質のフロントカメラが2基搭載されています


カメラを有効にすると上半分に右のカメラ、下半分に左のカメラで撮影した映像が表示されます


これはヘッドセット下部を下から見た写真。中央にあるのはデュアルマイク。ノイズキャンセリング機能を実現するためにデュアルマイク化されています


ヘッドセット背面。実測約5.7mmの細いヘッドセットケーブルが採用されています


これは左側面を下から見た写真。左側面にあるのはヘッドセットボタン。底面にあるのはヘッドセットと顔の距離を調節するためのボタン。押し込むとヘッドセットを前後に調節可能です。間隔を空けるとメガネを装着しやすくなりますが、視野角が狭くなります


これは右側面を下から見た写真。右側面にあるのはIPDノブ。瞳孔間距離を調節します


左側のヘッドフォンにはボリュームボタンが用意されています


右側のヘッドフォンにはマイクのミュートボタンが配置されています


リンクボックスのヘッドセット側。HDMI、USB、電源端子がひとつにまとめられています


リンクボックスのPC側。左から電源、DisplayPort、USB3.0端子。HDMI端子はなくなっており、PC側にDisplayPort 1.2以降の端子が必要となります

今回、現行のVIVEを接続していた手持ちのデスクトップPCにVIVE Pro HMDをセットアップしました。最新版が適用されていれば特に追加でソフトウェアをインストールする必要はありませんが、今回は念のため「VIVE設定(ViveSetup.exe)」、「Steamクライアント(SteamSetup.exe)」を上書きインストールし、NVIDIAグラフィックスドライバーをアップデートしました。詳しい手順については、すでに「VIVE Pro HMD設定ガイド」に公開されているので、こちらをご覧ください。

なお、VIVE Pro HMD設定ガイドに手順はしっかり記載されていますが、VIVE Pro HMD(アップグレードキット)をセットアップするにあたって、リンクボックスに電源ボタンが新設されていることと、コントローラーをペアリングする必要があることにご留意ください。今回の借用機にはマニュアルが同梱されておらず、筆者はVIVE Pro HMD設定ガイドも読まずにセットアップを始めてしまったので、しばらくリンクボックスの電源ボタンの存在に気づかず、またコントローラーはPCとペアリングしていると思い込んでいました。同じ間違いに陥らないようにご注意ください。


リンクボックスに電源が入っていないと「ヘッドセット未検出」というエラーメッセージが表示されます


コントローラーはPCではなくリンクボックスとペアリングしているので、VIVE Pro HMD(アップグレードキット)をセットアップした際には、改めてペアリング作業が必要となります

さて肝心のVIVE Pro HMDの使用感をお伝えしましょう。VIVE Pro HMDは主に下記の5点について進化しています(最初の仕様は現行のVIVEのもの)。
・解像度 2160×1200ドット(448ppi)から 2880×1600ドット(615ppi)へ
・カメラ フロントカメラ×1 から フロントカメラ×2へ
・サウンド デラックスオーディオストラップ(オプション) から ハイレゾ対応ヘッドフォンへ
・マイク マイク×1 から デュアルマイク(ノイズキャンセリング機能搭載)へ
・ベースステーション ルームスケール(対角5m)から ハウススケール(10m×10m)へ


HTC NIPPONにVIVE Pro HMDの解像度向上を体感できるVRコンテンツを問い合わせたところ、元々高解像度に作られていた「Rez Infinite」、そして「Google Earth」、「Tilt Blush」との回答が得られました。そこで今回は「Rez Infinite」と「Google Earth」を現行VIVEとVIVE Pro HMDの両方で繰り返し体験してみました。

VIVE Pro HMDは、現行のVIVEの2160×1200ドット(448ppi)から 2880×1600ドット(615ppi)へとピクセル数が78%向上していますが、その一番の恩恵は格子模様の低減です。現行VIVEでは明るい画像の上で格子模様が目立ちますが、VIVE Pro HMDでは格子模様がなくなっているわけではないものの、その模様が細かくなっており、かなり目立たなくなっています。

格子模様が目立たなくなったことにより、解像感も向上しています。例えば黒バックに明るい文字が乗っているようなときに、その文字の視認性が大きく向上しています。「Rez Infinite」ではゲーム中でワイヤーフレームが表示されますが、現行VIVEではジャギーが目立つ非常に細い線でも、VIVE Pro HMDでは比較的目立ちません。「Google Earth」では、遠くにある建物などのテクスチャーが綺麗に表示されます。ストリートビューの写真も格子模様が小さいぶん、明るく、精細に鑑賞できました。

解像度が向上したことにより遅延などが発生することを心配していましたが、今回、Core i7-6700K/GeForce GTX 970/32GBメモリー搭載マシンで試用したかぎりは、目立ったコマ落ちなどは感じられませんでした。実際、推奨GPUはVIVEとVIVE Pro HMDで違いはありません。とは言え、負荷の高いVRコンテンツではVIVE Pro HMDのほうが処理落ちする閾値がより低い可能性が高いです。VIVE Pro HMDにアップグレードするのであれば、近い将来GPUを換装することを予定しておいたほうがいいでしょう。


VIVE Pro HMDは細い線もジャギーが比較的目立ちません
※この画像は「ディスプレイミラー」機能で撮影したもので、VIVE Pro HMDのヘッドセットではもっと精細に見えます



現行VIVEでは細かな文字が格子模様でぼやけて見えますが、VIVE Pro HMDでは文字の輪郭がくっきりとします
※この画像は「ディスプレイミラー」機能で撮影したもので、VIVE Pro HMDのヘッドセットではもっと精細に見えます



VIVE Pro HMDでは格子模様が目立たないおかげで、テクスチャーの解像感が高く感じられます
※この画像は「ディスプレイミラー」機能で撮影したもので、VIVE Pro HMDのヘッドセットではもっと精細に見えます



今回は、CPUにCore i7-6700K、GPUにGeForce GTX 970、メモリーを32GB搭載したデスクトップPCでVIVE Pro HMDを試用しましたが、特に目立った遅延などは感じられませんでした。対応GPUについてはサポートページ最下段の「推奨PC環境 一覧を確認する」でご確認ください

VIVE Pro HMDは前述のとおり、解像度、カメラ、サウンド、マイク、ベースステーションなどが進化しています。新機能すべての恩恵を受けられるVRコンテンツの登場はまだアナウンスされていませんが、格子模様が低減されるだけでもVR空間への没入感は確実に深くなります。解像度が向上したとはいえ現実と見間違えるほどの精細さを実現したわけではありません。しかし、たとえば「VRカノジョ」の夕陽さくらちゃんの肌から格子模様が低減されるだけでも買う価値はあるかと!(「VRカノジョ」のVIVE Pro HMD対応は記事執筆時点でアナウンスされていません)


VIVE Pro HMDにいち早くアップグレードするか、ヘッドセットのワイヤレス化を実現する近日発売予定の「VIVE ワイヤレスアダプター」を優先するか、それともVRコンテンツを大量購入するか非常に悩ましいところです
 
 

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