こんにちは。世永玲生です。
僕も元々コンシューマーゲームのディレクター/ゲームデザイナーをしていたので、Unrealが凄い技術を!なんて言ったらつい食いついてしまいます。
当時はUnrealにあんまりいい思い出は無かったんですけどね。
さて、GDC内の注目カンファレンス「State of Unreal」で、発表され大きな話題を読んだ、リアルタイムキャプチャが可能なUnrealのデモ「Siren」を早速ご紹介します。
モデルは新進気鋭の中国人女優「Jiang Bing Jie」。
彼女のモデルを最新技術と、キャプチャ機器を使うことで、60fpsでリアルタイムでキャプチャした動作とシンクロ出来るというのがこの技術の骨子です。
こんな感じの動画が出来るのですが、動いているのを実際に見てみるとどうでしょう?
映画品質までとは言えませんが、十分に「不気味の谷」は超えているのでは無いでしょうか?
不気味の谷とは、ロボットが人間の見た目に近づく際に、有る一定の擬人度を超えると、急に嫌悪感を感じるという現象で、ざっくりいうと、「中途半端にリアルだと気持ち悪い」そんな現象です。
ゲームの世界では、「歯」の表現が「気持ち悪さ」を産む原因の1つだと当時から開発現場では言われてましたが、表情における「機微」の再現度の低さも同じく「気持ち悪さ」を産むもう1つの要因として挙げられてました。
つまり、見た目だけではなく「動き」も「気持ち悪さ」に関係するという話です。
見た目だけとっても十分にリアルで「へー。いい年してまだラーメン二郎はラーメンじゃない別腹だとか言ってんだ?」とか今にも言い始めそうじゃないじゃないですか?
このリアルな見た目に、更に「人間の様な細かい表情筋の動き」が加わるわけです。
こんな感じでキャプチャする
キャプチャは、アクターに取り付けられた、ジャイロやカメラからの情報を元に、リアルタイムで反映されます。
細かい表情の動きもトレースされるので。
ご覧の通りのリアルで、自然な表現が可能になります。
メイキングには他にも、様々なパターンを見ることが出来ます。
一般向けへはまだまだ先か
ご覧の通り、まだこの段階では装置は大げさで、従来のキャプチャルームを利用した環境とそんなには変わりません。
しかし、将来的には上半身のみ対応した簡易版が、Vtuberや、ニュース番組やバラエイティ用向けに発売されるかもしれません。
投げ銭系の動画サービスで人気の女性の中身が、実はラーメン好きのITライター。なんて日もそう遠くないかもしれませんね。