既報のとおり、3月27日にアップルはApple Pencilに対応した新しい9.7インチiPad(以下iPad)を発表しました。これまでiPad Proでのみ利用可能だったApple Pencilに対応したうえで、価格は3万7800円からということもあり注目を集めています。本記事ではiPadとiPad Proのどちらを買うべきか検討してみましょう。

まず両者の価格差を見てみましょう。


アップル公式サイトより転載

プロクリエイター向けのiPad Proと、教育市場向けと位置付けられているiPadには大きな価格差があります。同容量のモデルが存在しないので単純に比較はできませんが、10.5インチiPad ProのWi-Fi/64GBモデルが6万9800円、iPadのWi-Fi/32GBモデルが3万7800円なので、その価格差は3万2000円です。

32GBモデルでの運用は残容量に結構気を遣うので、iPadのWi-Fi/128GBモデルの4万8800円と比較したとしても、その差は21,000円。新しいiPadのコストパフォーマンスの高さがよくわかります。

両者のパフォーマンスには価格ほど差はないようです。iPadは「A10 Fusionチップ」、iPad Proは「A10X Fusionチップ」と同じ第4世代のプロセッサーを搭載しています。


アップル公式サイトより転載

実際アップルの公式サイトによれば第2世代の「A8チップ」と比較して、iPadの「A10 Fusionチップ」はCPUが2倍高速/グラフィックスが2.7倍高速、iPad Proの「A10X Fusionチップ」はCPUが2.5倍高速/グラフィックスが4.3倍高速とされています。動画編集や写真の現像など重たい作業をしないかぎりは、両者の速度差が気になる状況は少ないはずです。

なお、現時点でiPadのメモリー(RAM)容量は判明していませんが、iPad Proより低容量である可能性は高いです。


アップル公式サイトより転載

iPadはフルラミネーションディスプレイ、反射防止コーティング、ProMotionテクノロジー、広色域ディスプレイ(P3)、True Toneディスプレイが省かれていますが、こと画質に関しては並べて比較しないかぎり違いはわからないでしょう。リフレッシュレートがiPadは60Hz、iPad Proは120Hzですが、画面を左右に素早くスワイプしないかぎりは、その差が気になることはないはずです。

●コスパはいいが、できないことも多い

カメラスペックはちょっと残念ですね。画素数よりも、光学式手ぶれ補正機構とフラッシュが省かれているのが大きなマイナスポイントです。暗所撮影時には手ぶれを防止するためにISO感度が大きく引き上げられるので、ノイズが多い写真となるはずです。解像度はともかく、iPad Proでは撮れるのに、iPadでは撮れない被写体があるというのは、撮影体験を大きく変えてしまいます。

個人的に一番不満を感じているのはSmart Keyboardが使えないこと。独自規格のSmart Connectorを省略しても、たいしてコストカットできるとは思えません。「10.5インチiPad Pro用Smart Keyboard - 日本語(JIS)」(1万7800円)より安価な「Logicool Slim Folio Bluetoothキーボード搭載ケース iPad用」(1万2800円)が用意されているとはいえ、差別化のための仕様だとしたらあまりにも残念です。


Smart Keyboardは実測244gと非常に軽量。「Logicool Slim Folio Bluetoothキーボード搭載ケース iPad用」は約445gと2倍近い重量です
(3月30日追記:記事初出時、製品名を誤って記載していました。お詫びして訂正いたします)


新しいiPadのコストパフォーマンスは非常に魅力的です。しかしほかにも、ローズゴールドが用意されていない、4K HDビデオ撮影ができない、240fpsスローモーション撮影ができない(120fpsまでは可能)、FaceTime HDカメラ(インカメラ)が120万画素、スピーカーがふたつ、LTE-Advancedに対応していない、Apple SIMを内蔵していないなどなど細かな違いがあります。

新しいiPadは教育市場向けに有益な製品です。私も子どもに買い与えるなら安価なiPadを選びます。でも自分自身に買い与えるなら、カメラ性能やキーボードカバーを装着した可搬性を重視して、秒速でiPad Proを選びますね!