この買収においては、買収額がかなり安価だったことから、当初欧州委員会(EC)による調査は不要とされていました。しかしここへ来て、オーストリアをはじめとする欧州の6か国がアップルによるShazam買収について、そのサービスを利用する他社、たとえばSpotifyやDeezerなどの顧客データに関するアクセスを得ることで公正な競争を阻害する懸念があるとして調査を要請、ECはこれに応じることになりました。ECのMargrethe Vestager氏は「近年音楽ストリーミングサービスを利用するヨーロッパ人が増え、人々の音楽を聞く手段は大きく変貌している」と述べ「この調査は音楽ファンが引き続き魅力的な音楽ストリーミングのオファーを得られるようにすることをを目的とするものであり、(Shazamの)買収の結果としてファンの選択肢が少なくならないことを確実にするために行われます」と語りました。
要するにECは、Shazamによる検索がApple Musicだけに利用者を誘導したり、検索結果によって競合サービスに損害がおよぶのかを調べ、もしもそのようなことがあった場合は是正を求めようとしているわけです。欧州委員会は調査を9月4日までに終えて判断するとしています。
当初はiTunesなどのダウンロード販売やCDショップへ行ったときなどに欲しい楽曲を探すために使われることが多かったと思われますが、近年は(先ほども紹介したとおり)音楽ストリーミングサービスの楽曲検索にも連携、写真やポスターを撮影してその被写体を検索できる「Visual Shazam」なども提供し、より日常生活に浸透してきています。