カシオと言えば、1995年発売の「世界初の液晶付きデジカメ」QV-10を思い出す人も多いことでしょう。上下方向にレンズ部分が可動するスイベル機構を備えており、その扱いやすさからヒット商品となりました。もともとはカメラ付きポケットテレビとして開発されたというのも、いまとなってはよく知られたトリビアかもしれません。
コンパクトデジカメには数々のメーカーが参入し、マルチメディア対応が強化されたWindows 95の発売や、急速に普及し、低価格化もあいまって2000年代なかばには販売数でフィルムカメラを逆転しました。
カシオは2013年にはダブルヒンジカメラEX-TR15など個性的なカメラを投入し、高い評価を得ています。最近でも海外向けながらセルフィー用のコンパクト型コンパクトデジカメを出したり、G-SHOCKを思わせるタフデジカメG'z EYEを投入していました。
ただ、個性的なカメラとなるとどうしても用途がニッチな方向に走りがちといえばそうだったかもしれません。今回の決算説明資料でも「独自ジャンル新製品を投入するも(中略)挽回ならず」とあり、スマホに押されるコンデジ市場の縮小をはねのけ、売り上げを伸ばせなかったのが撤退の原因となった模様です。
とはいえ、カシオとしては映像製品をやめるわけではないとのことで、アクションカメラやその他の動画カメラは今後も何らかの製品が出てくる可能性も残されていそうです。いつかまたまったく新しくも、カシオらしい製品が生み出されるのに期待したいところです。