シャープは猫用システムトイレ型ペットケアモニター「HN-PC001」を発売すると発表しました。本体価格は2万4800円(税抜)で、7月30日発売予定となっています。
猫の健康管理もクラウドで行う時代
ペットケアモニターは、猫用トイレに各種センサーを搭載し、飼い猫の体重や、尿の量、回数などをクラウドに記録し、解析して飼い主のスマホで管理できるというサービス。AIにより、尿の量が少なかったり、回数がいつもと違うなどを通知してくれるサービスを提供します。このサービスは月額300円で利用可能です。
猫の死亡原因の約2割は腎不全によるもの
猫の病気による死亡原因は1位のガンに続いて、腎不全が2位となり、全体の約2割を占めるという統計データがあります。腎不全の原因は諸説ありますが、尿の量や頻度などの増減を見逃さないことが悪化を防ぐ手段の一つと言われています。また、体重の変化も猫のコンディションをはかる上で重要なポイント。普通に飼育しているだけでは、それらをきめ細かにモニタリングするのは難しいところ。そこで、AIとIoTを利用して、システマチックにチェックしようというのが現代におけるペットケアだとシャープは提言しました。
尿とウンチが分離するシステムトイレ型を採用
ペットケアモニターは、一般に販売されているシステムトイレ型を採用しています。システムトイレとは、トイレ底面が2階層構造になっており、上段にチップ、下段に尿吸収シートをセットし、猫がウンチをした場合は上段にとどまり、尿をした場合はチップの間から下段に流れ落ち、シートが吸収する仕組み。
一般的な猫砂型のトイレの場合、尿やウンチが染み込んだ猫砂を一日に数回取り除く必要があります。システムトイレ型の場合は、ウンチはその都度、上段のチップの中から取り除く必要がありますが、尿シートの交換はおよそ一週間ごととなり、手間が省けるのがメリットです。
愛猫の体重と尿の量を計測する仕組みを図解します
ペットケアモニターの大きな特徴として、飼い猫の体重や、尿の量、回数などを計測できる点。本製品がどのようにしてそれらを計測するのかを簡単に図解します。
本体には体重センサーと尿トレイセンサーが搭載されています。体重センサーは文字通り、猫の体重を量るためのもの。そして尿トレイセンサーは、尿トレイの重さを量ります。
体重センサーは、猫がトイレに乗っていない状態で重さをゼロにリセットします。こうすることで、トイレ上段に乗っているチップやウンチの量が変化しても、計測ごとに正しい体重が計測できます。また、猫が用を足したあと、トイレから降りるまでの時間を計測することでトイレでの滞在時間も記録できます。
尿トレイセンサーも同様に、猫が乗っていない状態の重さを記録しておき、猫が尿をした際に増えた重さを今回分の尿とするワケです。
少しでも愛猫のためになるならば
シャープいわく、本製品は医療機器ではないので、猫の病気を捕捉するものではないとのこと。しかし、猫に限らず、ペットというものは、得てして体の不調をアピールしてこないのは飼い主であれば周知の事実。食欲がなかったり、じっとしているなど、いつもと様子が違うことで初めて体調不良に気づくことがほとんどです。
たとえ、ペットケアモニターで病気を完全に察知できなくても、愛猫の体調不良を知る材料の1つにでもなれば、早期の治療にもつながっることになります。過信は禁物ですが、望まない不幸な出来事を避けるには心強いツールとなりえるでしょう。
筆者も猫を飼っているので、このペットケアモニターは最注目のデバイスです。ただ、ウチの猫は普段から屋根付きのトイレを愛用しているので、ペットケアモニターのドームバージョンをリリースしていただければ、購入を検討したいところです。