「ボン・ジョヴィで盆踊り」は踊れても、いわゆる「"ダンス"はとても自分には無理」とお思いの方は、おそらくたくさんいるはずです。しかしAIを駆使すれば、いまや誰でもマイケル・ジャクソンにも負けないスーパーダンサーになれる時代がやってきました。ただしそれは"映像の中では"の話です。UC Berkleyの研究チームは、プロダンサーの動画からその動きを深層学習させ、ずぶの素人レベルのダンサーの映像をプロレベルのダンスに描きかえるAIシステムを開発しました。
このシステムではダンスの動画からその人の仮想骨格を作り出すアルゴリズムと、人物の見えない面を推測し、ターンをした場合に見えるかもしれない背面側までを描けるようにするもう一つのアルゴリズムを組み合わせているとのこと。顔に関してはより現実的というか最低限、違和感のない描画のために別途写真を使用しているものの、それらを組み合わせて描いた素人ダンサーのモデルに、学習したプロダンサーの動きを与えることで、かなり上手に踊っているように見える映像を生み出せるようになりました。


ただし、まだこの技術は映画などにそのまま使えるレベルにはありません。できあがった動画をよく見れば、人の輪郭がぼやけていたり、欠けていたりする部分が見つかります。フレームレートが低かったり足の位置が動きによって微妙にずれたりするのも相まって、デジタイズ画像のキャラクターが動いているようにも見えたりします。さらにAIがうまくキャラクターの動きを作り出せない場合は、元になるプロの動きの方を別のものに変えたりする必要もあったとのこと。とくにブレイクダンスのように激しい回転などの動きを伴うものはまだまだ完成度に難があるようです。

これらの不具合を潰していけば、いつかはプロダンサーとともに一糸乱れぬ動きで踊る自分のダンス映像を見られるようになるはずです。さらに映画やドラマなどにおいても、この世を去った名俳優たちが、ストック映像ではなく、新たな演技で新作に出演するといったことも可能になるかもしれません。