世界初の人工授精ライオンが南アフリカで誕生。雌ライオンを自然の生息地に置いたままで成功

チーターなど他のネコ科にも応用できそうです

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2018年10月1日, 午後 04:00 in animals
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南アフリカの首都プレトリア郊外にある動物保護センターで、世界初の人工授精によるライオンが誕生しました。8月25日に生まれた赤ちゃんライオン2匹(雄と雌)は、どちらも健康に育っていると報じられています。プレトリア大学の哺乳類研究所の研究チームは、1年半にわたり試行錯誤を重ねたとのこと。まず健康な雄ライオンから精液を採取し、次に雌ライオンの血液サンプルを調べてホルモンレベルを測定し、生殖に適していると判断された時期に人工授精させたと述べられています。

研究チームのAndre Ganswindt所長は「幸いなことに成功しました。試みは重ねましたが、それほど多大な努力が必要だったわけではありません」と付け加えています。

今回の方法が画期的だったのは、雌ライオンを移送して飼育する必要がないことです。ただ柵の側に横たわって血液サンプルを取れるように訓練するだけでよく(雄の精液は現地に輸送)、生息地の環境から引き離さなくてもいいわけです。

ライオンはアフリカ26カ国で絶滅の危機に瀕しており、野生の生息数は過去20年間で43%も急減。国際自然保護連合によれば、約2万匹しか残っていないとされています。

この雌ライオンを生息地に置いたまま人工授精できる繁殖方法は、野生環境の中での種の保存にも適しているもの。研究チームの一員であるIsabel Callealta氏は「人工授精によるライオンが、海外の動物園ではなく自然の中で初めて生まれたことは、南アフリカにとって重要な節目」と語っています。

ライオンの繁殖は観光と貿易が狙いだとの動物保護団体の批判もありますが、人工授精の手法が種の保存に役立つのはたしかなこと。この研究を支持しないとする18の国際的およびアフリカの保護団体からなるグループも、書簡の中で「絶滅危惧種のチーターなど、ネコ科の野生動物を救える可能性がある」と認めているそうです。

 
 
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