ワクチン輸送ドローンの試験運用がバヌアツで開始。80の島々に医療品、予防接種率向上へ

将来的には世界のどこからでも操縦できるように

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2018年11月1日, 午後 03:00 in Robots
0シェア
FacebookTwitter
wingcop
僻地や都市部から遠く離れた地域のことを"陸の孤島"などと言ったりしますが、そのような場所であっても道路がつながっていて自動車さえあれば、生活に必要な物資は運べます。

しかし実際の島の場合はそう簡単にはいきません。定期船はあっても運行時間に縛られるうえ、ひとたび災害などで生活のバランスが崩れてしまえば、必要とする物資を、必要とするときに、安全に運ぶことが一気に難しくなってしまいます。

約800kmの範囲に散らばる80もの島々で構成されるバヌアツでは、ある島へ医者が診療に向かおうとすれば、最悪の場合、車とボートを乗り継いで数日もの移動時間がかかったりします。これでは、温度管理が必要なワクチンなどの運搬が大変困難です。

そこでバヌアツ政府はドローンを使ったワクチン輸送を行なうために商用ドローン企業2社と契約を結び、輸送に時間がかかる39の島々へのドローンによるワクチン輸送を依頼しました。
豪Swoop Aeroと独Wingcopterの2社は、この12月からの3か月にわたるワクチン輸送試験に参加し、まずは12月3~7日のあいだに特定の村への物資輸送を試します。続いて2017年1月には、3つの島の診療所にワクチンなど物資の輸送を開始します。

バヌアツ政府は国民の予防接種率を現在の75~85%から95%へ引き上げようとしており、そのためにはドローン輸送が効果的だと考えています。ただし、このプロジェクトに関わるユニセフは、ドローンを知らない現地民がその着陸を妨害してしまったり、地上から攻撃してしまったりしないよう、周知徹底に時間を費やしています。

なお今回の試験では、対象になる島々の現場ででドローンの操縦制御が行われるものの、最終的にはタブレット端末の画面を通じ世界のどこからでもドローンを制御でき、メッセージなども送れるシステムを構築する計画です。

現地ユニセフのアンドリュー・パーカー氏は「このシステムによって、村の医療関係者が必要な物資の輸送を依頼すれば、ほとんどの場合はそれに応じて1時間以内に薬品を届けられる可能性があります」と期待を語ります。1時間以内であれば、輸血に必要な血液パックを贈ることもでき、現地からの病理サンプルを中央で分析するといったことも可能になるはずです。

われわれの住む日本でも、人口減少が進む地方を中心に、医療体制の弱体化が目立ち始めています。状況に応じて患者をヘリ輸送する体制も整えられつつあるものの、今回の事例のような、ドローンによる物資輸送の考え方も(法的縛りはあるにせよ)検討する必要があるかもしれません。

 
新型コロナウイルス 関連アップデート[TechCrunch]

 

関連キーワード: Drone, drones, gadgetry, gadgets, gear, Robots, Swoop Aero, tomorrow, vanuatu, Wingcopter
0シェア
FacebookTwitter

Sponsored Contents