約70億km旅した探査機ドーン、燃料切れで引退へ。準惑星ケレス「謎の白点」など観測

これからもデータの分析は続きます

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2018年11月2日, 午後 06:00 in Space
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NASA
NASAの準惑星/小惑星探査機ドーン(Dawn)は、10月30日に管制との通信が途絶状態になりました。その後予定されていた定期通信でも状況は回復せず、NASAはドーンのミッションを終了すると発表しました。

ドーンは2007年打ち上げで、2011年10月に到達した小惑星べスタを約1年、2015年に到着した準惑星ケレスではおよそ1年半にわたって観測を行い、太陽系の生い立ちを知るために重要な情報をわれわれにもたらしました。設計寿命10年のドーンはすでに11年めの活動に入っていたため、通信途絶の原因は燃料切れと考えられます。したがってそろそろ"その時"がやってくるというのはNASAの運用チームも予測していたことでした。

太陽電池があるのに?と思う人もいるかもしれません。しかし、その太陽電池パネルを太陽の方向に向けるには、動力として燃料が必要になります。

NASAはそろそろ燃料切れのときがやってくるのを予測していたため、ドーンをセレスやその他の天体に衝突させて表面を地球由来の物質で汚染しないよう、準惑星ケレスを周回する軌道に乗せていました。そして、今後もずっとケレスをまわり続けるはずです。

NASAの科学ミッション責任者Thomas Zurbuchen氏は「今日、私たちはドーン・ミッションの終わりを迎えました。ドーンの技術的な成果や、我々にもたらした科学的に重要なデータ、そして、探査機がこれらを発見することを可能にしたチームすべてを祝いたいと思います」と声明を発表。さらに「ドーンが小惑星ベスタと準惑星セレスから収集した驚くべき画像やデータは、太陽系の歴史と進化を理解するのに極めて重要なものになります」とコメントしました。
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ドーンは11年の間に、ベスタとケレスという2つの世界を訪れ、イオンエンジンによってほぼ70億kmを旅してきました。そして、その旅は太陽系がどのように形成されたかの手がかりや、小さな惑星が宇宙の海原を漂うようになった歴史と証拠をわれわれに提供しました。

とくにケレスは写真に映る"謎の白点"でわれわれの想像力を掻き立てました。NASAの分析では、それは海が凍結し枯れたあとに、塩(エプソム塩)の塊が取り残されたのではないかと推測されています。

奇しくもケプラー宇宙望遠鏡と同じ時期に、同じ燃料切れで探査機ドーンも運用終了になりました。しかしどちらも大量のデータを残しており、まだまだ時間がかかるであろうそれらの分析から、もしかすると宇宙の起源や地球外生命の存在を知るなどということも、ありえるかもしれません。


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