怒涛の新機種投入──OPPOの新スマホ「AX7」「R17 Pro」を解説:週刊モバイル通信 石野純也

3キャリア『完全分離プラン』導入後にも要注目の1社

石野純也 (Junya Ishino)
石野純也 (Junya Ishino)
2018年11月28日, 午後 02:50 in Mobile
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OPPOは、12月中旬に「R17 Pro」と「AX7」の2機種を発売します。それぞれの機種の詳細は別記事に譲りますが、特徴は以下のとおり。

まず、R17 Proは、UQ mobileから発売された「R17 Neo」の高機能版といった位置づけの端末。ディスプレイ内の指紋センサーやグラデーションを採用したボディはそのままに、CPUやメモリなどのスペックを向上されています。

それに対し、AX7はバッテリー容量が4000mAhオーバーながら価格は約3万円と、コストパフォーマンスを重視したモデルです。端的に言えば、いわゆる格安スマホのボリュームゾーンに向けた端末。日本市場では、"Neo"の名を冠したモデルがその役割を担っていましたが、それらに並ぶのがAX7になりそうです。



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▲12月中旬に発売予定のR17 Pro(左)とAX7(右)

立て続けに新モデルを発表、発売しているOPPOですが、その勢いには目を見張るものがあります。冒頭で挙げたとおり、11月にはUQ mobile独占販売モデルとして、スペックをやや抑えめにしたR17 Neoを発売したばかり。そして同じ11月には、フラッグシップモデルの「Find X」を日本に上陸させています。

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▲UQ mobileが独占提供するSIMフリースマホのR17 Neo



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▲R17シリーズは、どちらもディスプレイ埋め込み型の指紋センサーに対応

怒涛の発売ラッシュで忘れてしまっている向きもあるかもしれませんが、OPPOの日本上陸は今年の2月の出来事。市場参入第一弾として「R11s」を投入し、その後はしばらく間が空いてしまいましたが、8月には「R15 Neo」、そして9月にはおサイフケータイに対応した「R15 Pro」を発売しています。

R15 Neoはメモリの容量違いで2モデルありますが、これを1つとカウントしても、同社は2018年だけで7機種もの端末を日本市場に投入していることになります。



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▲日本参入第一弾モデルはR11s

日本市場での実績が豊富で、大手キャリアにも納入実績があるメーカーならまだしも、2月に新規参入したばかりのメーカーが1年で7機種も発売するのは、まさに異例の事態といえるでしょう。11か月の間に7機種ということは、単純計算で、2か月に1回以上のペースで新端末を投入していることになります。後半に集中しているため、8月以降は常にOPPOの新モデルが出ている感覚です。

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▲おサイフケータイ対応のR15 Pro

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▲コスパの高さを誇るR15 Neo

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▲フラッグシップモデルのFind Xも日本で発売となった

とはいえ、いくら世界第4位のスマホメーカーといえども、日本に上陸したばかりで知名度はあまり高くありません。OPPOの名前を知っているのはスマホの世界情勢に詳しい人など、ごくごく限られているのが実情です。最近ではMVNOの取り扱いも徐々に増えてきていますが、参入当初は販路も狭く、どこで買えるのかが分からなかった人もいたはず。

実際、1機種あたりの販売台数は、SIMフリー市場で戦う他のメーカーに比べても、ケタが1つ小さいほどだといいます。フラッグシップモデルのFind Xになると、価格も10万円を超えるため、さらに台数が少なくなっても不思議ではありません。では、なぜOPPOはこれほどまでに日本市場に注力しているのでしょうか。

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▲販路は徐々に広がっているが、大手メーカーと比べるとまだ取り扱いMVNOや量販店が限られている

その理由の1つは、「先行投資」です。実はFind X発表時に、OPPO Japanの代表取締役社長を務めるトウ・ウシン氏にこの質問をぶつけてみましたが、返ってきた答えは「ブランドイメージを確立したい」というものでした。同氏によると、SIMフリー市場で5万円を超える端末の占める割合は3%程度。10万円を超えると、市場規模はさらに小さくなるため、予測不能とのことでした。

それにも関わらず端末を立て続けに投入するのは、OPPOの力をアピールするためです。これは、ユーザーに対してだけでなく、大手キャリアに対してのアピールという意味合いもあります。市場規模を考えると、現時点では大手キャリア経由の販売量が圧倒的。今後、分離プランが導入されるとどう転ぶかは分かりませんが、少なくともユーザーが一気にSIMフリー市場へ流れるということはないでしょう。ここへの足掛かりとして、端末を多数投入しているわけです。

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▲Find X投入時に、狙いを語ったOPPO Japanのトウ・ウシン社長

事実、OPPOが投入してきた端末を見ても、あえて"顔"になるような機能を搭載したものが多い印象があります。日本参入時のR11sは光量で2つのカメラを使い分けるデュアルカメラ、R15 Proはおサイフケータイ、Find Xは飛び出すカメラ、R17 NeoやProはディスプレイ埋め込み型の指紋センサーと、おサイフケータイをのぞけば"日本初"をうたえるものばかり。おサイフケータイについては、海外メーカーがSIMフリースマホで、しかも参入1年目でいきなり対応させてきたのは、大きなインパクトといえます。

一方で、今回発表したAX7や8月に発売したR15 Neoのように、3万円前後でSIMフリースマホのボリュームゾーンを狙う端末も存在するため、一概にすべてが先行投資とはいえませんが、まだまだ比重としては、ショーケース的に技術力をアピールしたいという思いの方が強いのでしょう。

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▲ディスプレイ埋め込みの指紋センサーや飛び出すカメラなど、日本初の機能を搭載した端末が多く、話題性は十分

ユーザーはもちろんですが、大手キャリアやサブブランド関係者の中にも、OPPOの端末展開に驚いた人は多いのではないでしょうか。そういう点では2018年末時点に限ってみると、OPPOのラインナップ構成は正解だと思います。もちろん、こうした戦略が取れるのは、世界4位で圧倒的な数量を販売し、資金力も豊富な会社だからという事情があります。中小規模のメーカーでは、真似することは難しいでしょう。

また、OPPOは東南アジア市場に強い会社ですが、北米や欧州など、キャリアの力が比較的強い地域では、まだ十分な存在感がありません。特に北米は日本と同様にキャリアでの販路が大きく、SIMフリースマホの規模が小さいという点で共通項があります。世界展開を目指すために、日本市場はどうしても乗り越えなければならない壁といえるのです。

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▲世界シェア4位だが、アジア比率が高い。裏を返すと、日本や欧米への展開はこれからといったところ

とはいえ、何年も連続で赤字を垂れ流すわけにもいかず、ある程度シェアを上げていく必要はあります。そういった意味では、R15 NeoやUQ mobile独占販売のR17 Neo、そして新たに発売するAX7も今のOPPOにとっては重要な端末といえます。

日本でも完全分離プランの導入がほぼ確実になりつつありますが、これが実現した際には今まで以上にリーズナブルな端末が求められるようになります。このような市場動向を含めて考えても、OPPOは今後も要注目な1社といえそうです。

 

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