今年の秋冬は多くのスマートフォンが登場しました。その中でも注目を集めるのは、多くのカラーバリエーションを揃えた「iPhone XR」とシリーズ初の有機ELディスプレイを採用した「Xperia XZ3」です。
カメラで選ぶ!最新スマホレビューにて、さまざまなスマートフォンのカメラをレビューいただいたiPhoneカメラマンの三井さんにお願いし、この2台を持って初冬の奈良と大阪で使ってもらいました。三井さんの連載企画「シグブラ」のような感じで、ブラブラと撮影してみた感じをお届けします。
※Xperia XZ3
※iPhone XR
奈良公園前でのナイトショット。上がXperia XZ3で、下がiPhone XRの写真です。アスペクト比が異なりますが、どちらも概ねいい印象。肉眼での雰囲気に近いのはiPhone XRですが、Xperia XZ3の色鮮やかさも捨てがたいですね。
ただ感度はかなり違っています。iPhone XRのISO 640に対し、Xperia XZ3はISO 2500とやや分が悪い。その影響で木々のディテールがやや失われてしまっています。
※Xperia XZ3
※iPhone XR
晴天の下、美術館の外壁を撮ってみました。上の写真がXperia XZ3で、下の写真がiPhone XR。どちらの端末もまずまずの描写ですが、メリハリ感と色味はiPhone XRが上回っているものの、実際の空はXperia XZ3が描写した色に近かったです。
Androidの画というと、カリカリでシャープネスが強すぎ、色もコッテリしたイメージがありますが、それはもう過去のもののようですね。
今度はデフォルトのワイド端と、最大までデジタルズームしたテレ端の画質を見てみます。2つ以上のレンズを持つスマートフォンが増えてきていますが、シングルレンズ機ではどのような描写でしょうか?
※Xperia XZ3
まずワイド端。Xperia XZ3はやや線が太く感じるものの、うまくディテールを残している印象で好ましい。
※iPhone XR
iPhone XRはよく解像しています。特に周辺部の画質がよく画面全体に渡り安定していますね。
※Xperia XZ3
テレ端は、大幅に倍率が異なるので明確に比較はできません。上の写真がXperia XZ3。最大倍率はXperia XZ3のほうが高いようです。
※iPhone XR
こちらがiPhone XR。いずれにしても、ここまで被写体を引き寄せて撮れる、という程度にとどめておくのが良さそうですね。
次は逆光時の描写です。スマートフォンは撮影が手軽なのでイージーに様々な条件で撮影しがち。その中で逆光というシチュエーションは意外と多いのです。
※Xperia XZ3
※iPhone XR
上の写真がXperia XZ3、下の写真がiPhone XR。どちらも盛大にフレアが発生してしまいますが、この形状と出方は好みによるかもしれないです。
iPhone XRはこのような状況でも画面下部の橋周辺の色合いを保っていますが、ややHDRが効き過ぎな感も。Xperia XZ3の色被りした描写の方が感覚的には自然に見えます。
つづいては、観光客で賑わう新世界をブラブラと歩きます。
※Xperia XZ3
※iPhone XR
有名な料理店の装飾にカメラを向けてみました。Xperia XZ3は基本ずっと「プレミアムおまかせオート」で撮影していますが、ワイドなアスペクト比によって測光が厳しいシチュエーションになったようです。ハイライトとシャドウをどちらもうまく出そうとした結果、ややメリハリにかける描写になってしまったのかもしれません。クリアでスッキリとしたヌケ感のある絵に撮れたのはiPhone XRのほうでした。
※Xperia XZ3
※iPhone XR
よく知られた道頓堀でのカット。Xperia XZ3の方がやや暗部のノイズが多いものの、爽やかで好ましい仕上がりになりました。肉眼のイメージに近い絵になっていると思います。iPhone XRも悪くはないですが、青空のベタ塗り感が不自然に感じますね。
というわけで、シングルレンズスマートフォン、Xperia XZ3とiPhone XRでは、ややXperia XZ3が優位だったと言える結果に。今回は街並みをブラブラと撮影しましたが、人物や料理といったいつものスマホレビューの被写体で撮り比べたらどうなるのか、俄然興味が湧きました。
話題のあのスマホも交え、改めてレビューしたいと思いますのでお楽しみに!