iOSのApple Storeアプリが珍しくプッシュ通知を配信し、それがiPhone XRとiPhone XSを売り込むためのプロモーションだったと報じられています。
アップルが送付先リストをどのように作成し、そのリストがどの程度の規模かは不明ですが、このプロモーションはiPhoneアップグレードプログラムの顧客を対象としているもの。同プログラムは日本では提供されていないため、国内で受信したとの報告は確認されていません。iOS開発者のSteve Lederer氏は、Apple Storeアプリによるプッシュ通知のスクリーンショットをTwitterに投稿。「新しいiPhoneは準備ができています。iPhone XRかiPhone XSを選んで、iPhoneアップグレードプログラムを使ってアップグレードをお急ぎください」とのプロモーション画像を公開しています。
Aren't advertising notifications like this against App Review guidelines? I'm thinking it's section 4.5.3 which clearly states "Do not use Apple Services to spam, phish, or send unsolicited messages to customers, including Game Center, Push Notifications, etc." pic.twitter.com/cdcq1lhaTF
— Steve Lederer 🤔 (@stevieled5) 2018年12月7日
アップルがこうした販促メッセージをプッシュ通知で送ってくるのは稀なこと。受信したLederer氏はこれがApp Store Reviewガイドライン4.5.3の「スパム、フィッシング行為のため、または要求されていないメッセージを送信するために、Game Centerやプッシュ通知などのAppleサービスを使用することは許可されません」に違反するのではないかと指摘しています。
先日もアップルがiPhone最新モデルの販売を強化するため、他の部門の要員を配置換えしたとの報道があったばかりです。米Bloombergの情報筋はこれを「火災避難訓練的」(同メディアは「デバイスの販売が一部の期待を下回っている可能性を示唆」と解釈)と表現していましたが、米アップル情報サイトAppleInsiderの関係者筋は「予想される消費者動向に対する通常の季節的な対応」、つまり年末にかけての恒例行事だと主張しているとのこと。
その真実がどちらであれ、アップルとしては異例で、ガイドライン違反の可能性さえある宣伝のプッシュ通知を送ったことは「iPhoneの販売に不慣れ、あるいは前例を破ろうとする配置転換されたスタッフが販促を担当している」事実を示唆しているのかもしれません。