cookTim Cook,twitter

米トランプ大統領が、アップルのティム・クックCEOのツイートを引用RTする形で、米国内での雇用の創出に対して感謝の意をTwitterにて述べました。

これは先週、アップルがテキサス州オースティンに新社屋の建設計画をはじめ、全米各地で雇用を拡大する発表を受けてのこと。以前のトランプ氏は「(中国から輸入するアップル製品について)関税をゼロにしたいならアメリカに工場を作れ」とツイートしていましたが、今後の米中貿易戦争において何らかの影響があるのかもしれません。
アップルが建設計画を発表した新社屋は、すでに6200人を雇用している同社の既存施設の近くに位置しています。ここではエンジニアリング、リサーチ、金融、販売、カスタマーサポートなど幅広い分野の雇用が生み出されるとのこと。完成当初の従業員は5000人規模から始まり、ゆくゆくは1万5000人に拡大する見通しも語られています。

さらに同社はカリフォルニア州サンディエゴやシアトルにも新施設を作り、それぞれ1000人以上の従業員を雇用するとのこと。ピッツバーグやニューヨーク、ボルダー、コロラド、ボストン、ポートランドでも数百人を雇用する予定とされています。

もっとも、アップル関連情報サイトのPatentlyAppleは、今回の施策がトランプ氏の率いる共和党にとっては諸刃の剣であると指摘しています。

アップルの新社屋が建設される予定のテキサス州は、今年11月の米中間選挙で共和党のテッド・クルーズ上院議員に対して民主党新人のベト・オルーク候補が接戦を繰り広げて惜敗した選挙区です。この上院議員選挙において、アップル従業員がオルークを応援するため多額の寄付をしていたことが報じられていました。
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つまりアップルが彼の地に5000~1万5000人もの従業員を雇うことは、民主党の牙城であるカリフォルニア州からそれだけの民主党支持者を送り込む可能性があるわけです。そして2020年には米大統領選挙が行われる......ということで、PatentlyAppleは「ティム・クックのトロイの木馬」だと評しています。

さらにいうと、ほかに新施設が建設されるサンディエゴはクアルコム、シアトルはマイクロソフトの本社があり、アップルにとってライバル各社のお膝元といえます。同社はトランプ氏に米国内での雇用創出をアピールしつつ、優秀な人材の引き抜きを図る、したたかな一石二鳥を狙っているのかもしれません。