北京市当局、公営住宅に顔認証スマートロックを導入。違法転貸の防止や独居老人の見守りのため?

住人の出入りも監視されるわけで

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2019年01月1日, 午後 05:00 in china
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中国の北京市当局が、公営住宅に顔認証式のスマートロックの導入を推進していることが報じられています。

現地新聞のThe Beiing Newsによると、公共住宅コミュニティの安全性を向上させるとともに、違法転貸を防止して限られた住宅資源が本当に必要な人々にのみ割り当てられるようにするためとのこと。2019年末までに12万もの入居者を含む、北京全域の公共住宅プロジェクト全てをカバーする予定とされています。こうした動きは、中国の政府当局が市民を監視するために顔認識技術を使用している延長上にあります。

香港メディアのSouth China Morning Postによると、中国の多くの都市では信号無視者を逮捕するために顔認識カメラが活用されており、北京のとある公園では顔認識機能つきトイレットペーパーディスペンサーを設置して紙を使いすぎを防止している、といった事例が伝えられています。

すでに顔スキャンシステムは北京市内の47もの公営住宅プロジェクトに設置されており、入居者とその家族たちの10万もの顔データが収集されているとのこと。

北京公営住宅センターの情報管理担当者は、データベースに保存された顔情報と訪問者の顔を照合することで、見知らぬ人の出入りを拒否できると語っています。さらに一人暮らしの高齢者も探し出すことができ、一定期間内に住居の出入りがない場合は管理者に立ち入り検査するよう通報するとも付言されています。

北京のような中国の巨大都市では、公営住宅は貴重な「商品」です。北京市内のアパートは家賃の平均月額が約5000元(約8万円)に対して、公営住宅では2000元(約3万2000円)という安さ。

2018年3月時点で、北京市内では76のプロジェクトで約10万戸もの公営住宅が、低所得世帯向けに提供。それに対して総人口は約2170万人(2017年時点)という多さのため、利益を上乗せした違法転貸でも需要があるわけです。

市当局はここ数ヶ月、違法転貸を取り締まるための取り組みを強化しているとのこと。違法転貸が明らかとなった家族は、社会信用システム(国民の信用度を格付けする制度)に記録され、今後5年間は低所得者向けの公営住宅を借りる資格を失うと伝えられています。

低所得者向けに公営住宅を平等に配分するため......といった北京当局の言い分は一見して説得力があるものの、入居者は自宅への出入りを監視されるなどプライバシーが危険にさらされ、友人を招き入れることも難しくなるかもしれず、場合によっては自分が家から閉め出される可能性さえあります。

昨年初め、新疆ウイグル自治区でも「安全区域」から300m離れると当局に通報される顔認識システムのテストが報じられていましたが、中国にはSF映画や小説で描かれているある種の未来が訪れつつあるのかもしれません。

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