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米Amazonは、自動搬送ロボットが行き交う倉庫で働く従業員に "ロボットよけ" になるベスト「Robotic tech vest」を配布しました。このベストは、外見的にはサスペンダーに近いものですが、着用しスイッチをONにしておけば、ロボットはベストの着用者がどこにいるかを検出するようになります。そして、あらかじめ定めた危険範囲内に入って来た場合は走行速度を落とし、さらに近づけば遠ざかる動作に転じます。たとえば、ロボットの走行ライン上に何か商品が落ちているのに気づいた際、通常なら安全第一の観点から、従業員にはまずロボットを停止するよう教育するのが一般的なはずです。しかし、安全教育と周知のレベルが揃っていなかったり、配属されたばかりで不慣れな人がいたりする場合は、もしかするとロボットが商品を破損してしまうのを避けようと、慌てて駆け寄ってしまうこともありえます。

従来のAmazonの倉庫では、従業員が作業する区画をマーキングしてロボットが立ち入らない安全地帯として認識させていました。しかし、これでは安全地帯を出てしまえば大きな棚を乗せたロボットが迫ってくる可能性があるため、従業員は常に周囲に注意を配る必要があります。

一方、Robotic tech vestを使用すれば、ロボットがすでに備えている障害物検知センサーに反応してその位置がわかるため、ロボットは自動的にその人を回避するルートを選択します。つまり、人を避けて走行するようになります。

米国労働省の調査によれば、ロボット搬送における事故の多くはロボットの通常運転時ではなく、故障やメンテナンス、調整と言った意図しない非定常作業時に発生しているとのこと。

米Amazonでは先月、刺激性ガスを噴霧するクマ撃退スプレーをロボットが踏み潰し、飛散したガスで24人を病院送りにした事故があったばかりです。職場においては、人が操縦する機械と人ならまだ互いに意思疎通ができるものの、ロボットと人ではそうはいきません。そう考えると、省力化が進みロボットが駆け回る職場環境のほうが、より安全に気を配る必要があるのかもしれません。