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韓国公正取引委員会(FTC)は、アップルの不正行為を検討する非公開聴聞会にて、同社が優位な立場を悪用して現地の通信キャリアから広告費用等を徴収している旨を証言したことを発表しました。

韓国メディアのKorea Heraldによると、FTCは「韓国内の通信キャリアとの取引におけるアップルの(優位な)立場は、経済的分析に基づいて認識されている。広告費用の回収は単に、通信キャリアのサービス収益を追加で徴収しているにすぎない」と声明したとのこと。

その上で「広告・宣伝へのアップルの関与は、ブランド戦略として正当化することはできない」とも付言しています。韓国におけるアップルの「不正行為」への追求は、2016年7月にまで遡ります。韓国FTCの委員長が「(韓国市場でのアップルには)いくつか問題があるとして捜査対象としていることを明かし、翌年11月にはiPhone X発売当日に強制捜査を実施されました。

そうした一連の動きの後、2018年4月に韓国FTCはアップルの現地法人に聴聞会での説明を求めることを公表。今回の聴聞会は、その第2回に当たるわけです。

アップルの「不正行為」とは、具体的には広告費や宣伝イベント、修理費用などの不当な負担を現地キャリアに強いていたということ。たとえば2017年11月には、SK Telecom、KT、LGUplusの三社が、アップルの要求通りにiPhone 8とiPhone Xのデザインおよび機能を宣伝するテレビCMを自費で放映したと報じられていました。

聴聞会ではアップル側も経済学やビジネスの専門家が出席し、韓国FTCの主張を否定するとともに、同社が現地キャリアに対して交渉力を持たないことを経済的分析に基づいて述べたとされています。

さらにアップル側の証人は「広告資金が形成されれば、それはアップルと携帯電話会社の両方に利益をもたらす」「広告活動へのアップルの関与は、アップルブランドを守るために正当化される」と証言したとのことです。

今回の件は、韓国FTCが「アップルに不正行為があった」と主張しているに過ぎず、事実関係が確定したわけではありません。

が、2013年には台湾の公取委が2000万台湾ドルの罰金を科し、2016年にはフランスで不当契約につき4850万ドルユーロの罰金--と各国で捜査や審議の末に認定された「アップルの不正行為」が、韓国のみで行われなかったとは考えにくいかもしれません。

米アップル関連情報サイトAppleInsiderは、アップルがiPhoneを扱う通信キャリアに厳しい条件を課すことができるのは「製品を無視できる立場にある相手がほとんどいないからだ」と分析しています。

そうしたiPhoneのブランド力を背景としたアップルの強い交渉力が、iPhoneの販売不振が報告されて先行きの不透明さがただよう今後も維持されるのか、注視していきたいところです。