マーベル映画として初めて女性ヒーローの単独主人公となる『キャプテン・マーベル』(3月15日公開予定)は、アベンジャーズが結成されるよりも前の1995年が舞台。そうした設定に合わせて、マーベルは95年当時のWebデザインに先祖返りさせた公式サイトを立ち上げました。そのルックスは、まるで初期Netscape Navigatorで表示されたようなレトロさ。いかにも時代遅れなアニメーション、フォント、色使いも当時に逆戻りさせ、もはや滅びたアクセスカウンターまで完備する徹底ぶり。一枚のページの中に「INFO」や「MULTIMEDIA」といったメニューを詰め込んでいるのはGeoCities風味と言えます。
そして郷愁を誘う「GUESTBOOK」には「ALL your base are belong to us!」などの古典ネタの書き込みもあり、予告トレイラーはWindows 95のメディアプレイヤーに似せている凝り方です。
この懐かしサイトの中で再現されていないのは、ページをロードする時間の長さ。そう指摘する海外テック系メディアThe Vergeの編集長Dieter Bohn氏は、サイトのソースコードを調べてデータサイズが10MBもあると発見したとのこと。これを当時最速だった28.8Kbpsのアナログモデムでダウンロードしたとすると、想像したくもない時間が掛かるというわけです。
If you set aside that the source is just built via JS and look at what it builds, well friends it is built with a bunch of CSS classes. CSS' initial release was in December 1996.
— Dieter Bohn (@backlon) 2019年2月9日
In 1995 WE CUSTOM SLICED IMAGE MAPS AND WALKED TO SCHOOL UPHILL THROUGH THE SNOW BOTH WAYS pic.twitter.com/voywiZR1kA
さらに本サイトを構築しているJavaScriptは、1996年にマイクロソフトのInternet Explorer 3.0が搭載してから急速に普及したもの。サイトデザインに使われたCSSが使われ始めたのも、GUESTBOOKのダンシングベイビーが大ヒットしたのも1996年以降のことで、映画の時代設定から1年ズレているなどの矛盾が挙げられています。
そうしたツイートの後、Bohns氏は楽しいWebサイトに野暮なツッコミを入れたことをお詫びしつつ、Netscape Navigatorのエミュレータで本サイトを見ようと思わない方がいい(動作しないから)と忠告してオチを付けています。
We built this in FrontPage and host it Angelfire 👩💻 #CaptainMarvelhttps://t.co/xjLqFdez2C
— Lori Lombert (@loriabys) 2019年2月9日
サイトを作成したマーベルのソフトウェアエンジニアLori Lombert氏は「Frontpageで作成してAngelfireでホストしてるんですよ」と種明かしをしています。95年当時のネット環境で、この重そうなサイトをうっかりロードしていたら......とインターネット老人会話に花を咲かせてもいいかもしれません。