Mars One
人類を火星に送り届け、そこに入植させることを目的とするMars Oneプロジェクトが1月15日に破産宣告を受け、その活動を停止していたことが明らかになりました。ところが、関係者は債権としてかかえる100万ユーロ(約1億2500万円)の返済を支援する "潜在的な投資家" と話をしており、3月6日に何らかの発表を行う予定だと主張しています。Mars Oneの CEO兼共同創設者であるオランダの起業家バス・ランスドルプは、2023年までにモジュール式の生命維持装置含むコロニー設備を開発し、赤い惑星への入植を目指していました。2013年には片道切符ながら火星への移住第1陣となる4名の募集枠に対して20万人もの応募を集めたことが話題となりました。

ランスドルプは、具体的にはSpaceXのFalcon HeavyロケットとDragon宇宙船によって、乗組員や必要な資材を火星に運び込むつもりだったとされます。そして2030年までに火星に20人のコロニーを作り上げる計画でした、

しかし、問題となるのはその費用がどのくらいかかるのかということです。2016年にArsTechnicaは、Mars Oneが入植者となるクルーの訓練などをリアリティ番組化し、その放映権料収入見込みやマーチャンダイズなどから60万ドルの資金を得ていると報じました。ただ、たとえばSpaceXのFalcon 9ロケットの商業打ち上げでもおよそ6500万ドルが必要と言われていることを考えると、この金額ではとうてい火星へクルーを送り込むことは不可能だと言えるでしょう。

2018年にはスイスのInFin Inovating Finance AGがMars Oneを逆さ合併し、フランクフルト証券取引所から資金調達を実行したものの最終的に試みは失敗に終わったとされます。

Mars Oneの活動には、当初から詐欺なのではないかという周囲の疑念がありました。たとえば火星入植に必要な生命維持装置やコロニー設備の技術がまったくテストされていないところ、長期にわたって狭い宇宙船での航行が必要になるクルー候補へのメンタルヘルス面でのサポートがないところetc...

BuzzFeed Newsは、火星を目指すと言いつつも航空宇宙企業との間に具体的なつながりがないという指摘を取り上げ、Mars Oneは詐欺ではないかと報じ、別の告発では20万人と発表されていた応募者が実は2761人だったとも言われています。

そのような疑念があるなかで、破産宣告されたMars Oneに興味を示す投資家が現れたという話は、誰も予想し得ないことだったと言えるでしょう。Mars Oneはプレスリリースにて、投資家が負債を肩代わりし、さらに火星へのミッションとその模様を伝えるリアリティ番組のライセンス収益モデル実現を財政面でサポートすると述べています。

しかし、この話もまだ信憑性がどの程度のものかは計りかねるところです。3月6日に本当に発表があるのか、それまでに新たな動きがあるのかが気になるところです。