何と言っても一番の進化は1.0型の裏面照射型CMOSイメージセンサーを搭載したこと。それに合わせて光学系も大刷新されました。パッと見はTHETAそのものなのですが、中身は全くの別物です。
前後のレンズも大きくなり、3段階の絞り機構(F2.1、F3.5、F5.6)もついています。ぐっと絞れば明るい屋外などでの周辺画質が向上するはずです。
無理やりにと言ってもいいくらいに1.0型センサーを詰め込んだので、ボディは厚みを増し、持った感じも重厚感があります。
底面に充電/接続用USBポートがあるのは変わらないですが、端子がmicroUSBからType-Cに変更されました。三脚ネジが金属製になったのも朗報です。そしてその横には要望の多かったストラップホールも装備。
側面のボタン類は従来の電源、無線LAN、Modeに加え、新たにFn(ファンクション)ボタンが追加され、有機ELパネルの表示切り替えやセルフタイマー、プラグインなどの切り替え操作が行えます。
気になる画質ですが、パッと見の解像感がまるで違います!
▲画質の比較。THETA V(左)、THETA Z1(右)
前機種THETA Vも他の360度カメラと比較すると写真画質は頭一つ抜けていた感がありましたが、それすら過去のものと思えるくらいの大幅な画質向上を体感できます。
ずっと気になっていたゴースト、フレア、パープルフリンジも大幅に軽減されており、暗部のノイズもかなり目立たなくなってます。
動画性能は基本的にはTHETA Vと変わらず4K/30fps。手ブレ補正や4ch空間音声記録にも対応していますが、個人的にはTHETAの動画は三脚に据えてじっくり撮影する使い方が良いと感じました。
ちなみにAndroidベースのシステムやプラグインでの機能拡張などもTHETA Vから継承されています。
残念なのはバッテリーやストレージが内蔵のみなところ。やっぱり交換できた方が使い勝手は良いですし、ずっと要望は出しているのですがなかなか反映されません......。あと、水中ハウジングや3Dマイクロフォンも使えなくなってしまいました。
コンデジ界の「GRシリーズ」のように、360度カメラのパイオニアとしてのリコーの情熱が詰まったハイエンドモデルと言えるでしょう。