NASA、カイパーベルト天体「Ultima Thule」のデータ分析状況を報告。惑星形成の初期を示す重要な研究素材

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)と比べるとデカい

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年03月20日, 午後 12:30 in Space
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2019年1月1日に探査機ニューホライズンズが接近観測したエッジワース・カイパーベルトの小天体Ultima Thuleについての分析が進められています。NASAは、観測で得たデータを分析した内容に関する発表を行い、この小天体の地質や起源、表面やそのヘンテコな形状の理由を説明しました。ニューホライズンズによる観測はUltima Thule(正式名2014 MU69)の脇を通過するようにフライバイした際に行われましたが、このとき探査機は、この"最果ての地"を広く画像に捉え41億マイル(約66億km)の彼方からデータをしっかりと地球へ送り返しています

データの分析がすべて終わるにはまだまだ時間がかかりますが、会見においてNASAの主任研究員であるアラン・スターン氏は「それはわれわれにとってよだれが出そうなほど魅力的なデータです」「そして、カイパーベルトにおけるこの小さな塊がどのように冥王星のような惑星の材料になっていくかについて、われわれの認識を大きく変えました」と述べました。

Ultima Thuleは、2つの塊がくっついた雪だるまのような、またはおもちゃのヒヨコのような形状をしており、外見的にはチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星にも似た形状をしているように見えます。そして、大きい方の塊がUltima、小さい方がThuleと呼ばれています。研究者らは当初、この2つの塊は必ずしも結合していない可能性があるとしていましたが、探査機からの画像によってやはりひとつにくっついていることが確認されました。またUltimaのほうはかなり扁平なパンケーキのような形状であり、Thuleのほうも潰れた今川焼(大判焼)のような形状をしています。

またワシントン大学の共同研究者ウィリアム・マキノン氏は「Ultima Thuleは、太陽系の惑星がどのように形成されたかというひとつの類型として、二つの微少天体が互いに引き合いつつ結合し、それを繰り返してだんだんと大きな惑星になっていったことをわれわれに示している」と述べました。つまりUltima Thuleは古代宇宙の名残として、カイパーベルトにある塵などが微惑星になり、小惑星、惑星へと成長していく最初の姿を残しているということです。

また、会見ではUltima Thuleの色についての話題も出ました。探査機の科学チームのひとりカーリー・ハウレット氏は、これまでのモノクロ画像ではわからなかった実際の色が、かなり深い赤色をしていることをリリースで明らかにし「なぜこれほどに赤いのかを知りたい」と述べています。またその表面にはメタノール、氷、有機分子とみられる形跡もあるとのこと。

研究者らはニューホライズンズからのさらなるデータを隅々まで調べ尽くそうとしており、それは2020年頃まで続くと予測されています。

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