AppleTV
アップルがディズニーの元動画ストリーミングサービス担当幹部を雇い、今年秋に開始されるApple TV+の強化を図っていると報じられています。LinkedInの略歴によると、Chiara Cirpriani氏は今月初めに英ロンドンにてアップルのビデオサービス部門ディレクターとして仕事を開始したとのこと。それ以前はディズニーに10年以上も勤務しており、消費者向けのデジタルコンテンツを管理。さらにはDineyLife(2015年に開始したストリーミングサービス)も担当し、Disney+サービスにも取り組んでいた重要人物です。

この件につき、米Bloombergはアップルとディズニーに対してコメントを求めたところ、両社はいずれも要請に応じなかったとのことです。

ディズニーも今秋には動画ストリーミングサービス「Disney+」を開始予定であり、アップルとは競合関係にあります。貴重な才能の獲得をめぐり、両社の対立が激化していることが窺えます。

その一方で、ディズニーCEOのボブ・アイガー氏はアップルの取締役も兼任しています。元をたどればアップル共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏がピクサーをディズニーに売却したことがきっかけでした。ジョブズ氏はディズニーの筆頭株主になるとともに同社の役員に就任し、その縁もあってアイガー氏はアップルの取締役に起用されることになったという経緯があります。

当時のアップルはあくまでハードウェア企業、ディズニーはコンテンツ企業ということで競合関係はありませんでした。それどころかiTunesでテレビ番組の配信を始めた際にはディズニーが提供した映画などのコンテンツが大いに助けになっていたほどです。

しかし、今やアップルもディズニーも動画ストリーミングサービスに参入し、利害が対立しかねない両社の重役を兼任するアイガー氏は難しい立場に置かれています。以前氏は「アップルの取締役を辞めるつもりはない」と答えていますが、今後は何らかの対応を迫られるかもしれません。

話をアップルに戻すと、同社は動画ストリーミングサービス強化のために次々と実績あるテレビ関係者を雇い入れています。2017年にはSony Pictures Televisionを率いていたJamie Erlicht氏とZack Van Amburg氏の2人を、今年4月にはApple TV+のドキュメンタリー部門トップにA&E Indie Filmsの創設者であるMolly Thompson氏を採用したことが明らかとなっています。今後も人材獲得競争が激しさを増しそうです。