ポール・アレンの夢、ロケット打上げ用双胴機のStratolaunchが事業閉鎖か。初飛行を成功させた矢先

IP含む資産売却を模索との報

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年06月1日, 午後 12:05 in Space
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Stratolaunch
マイクロソフト共同創業者ポール・アレン氏が2011年に設立したStratolaunchは、アレン氏がこの世を去ったあとも宇宙ロケット打ち上げ事業のために世界最大の双胴機「Roc」の開発を続け、2019年4月には初めて離陸する姿を世界に示すなど、航空機からのロケット打ち上げ実現まであと少しのところまで来たかに思えました。

ところが、最新の情報によるとStratolaunchは現在その事業を畳んでおり、資産および知的財産などを売却する道を模索していると伝えられています。Stratolaunchの目標は、宇宙船や人工衛星を搭載するロケットを航空機に吊り下げて上空まで運び、高度3万5000フィート(約1万m)の空中でリリースすることで、打上げ施設や大量の燃料を必要としない低コストな軌道投入を実現することでした。しかし、アレン氏が亡くなってしばらくした今年1月には事業を縮小していることが明らかになり、追加で開発予定だった、Rocから打上げ可能なロケットエンジンや宇宙船などのラインナップを、ノースロップ・グラマンのPegasus XLロケット1本に絞り込んで事業化を目指していました。

この事業縮小の一環で、約50人の少数精鋭で回していたStratolaunchはさらに人員削減を断行。ほんの20人という、鳥人間コンテストのチームでももう少したくさんいそうだと思わざるを得ない体制で機体開発の最後の仕上げを続け、この4月には幅117mの巨大な機体をついに大空に羽ばたかせることに成功していました

民間による宇宙ビジネスはここ数年加速度的に競争が激化しています。Stratolaunchが機体開発に明け暮れた年月のあいだに、イーロン・マスク率いるSpaceXはFalcon 9ロケットのブースター回収再利用技術をほぼ実用化し、火星に向けて赤いスポーツカーを飛ばすまでになりました。またアマゾンCEOジェフ・ベゾスのBlue OriginはNASAとの契約で関係を深め、英Virginグループ総帥リチャード・ブランソンの宇宙事業開始は秒読み状態となっています。

そのなかでStratolaunchは開発に時間がかかり、いつの間にか周囲が先へ先へと進んでしまっていた感は否めません。ようやくの初飛行も、もしそれが身売りのためのデモンストレーションだったなどと言われれば、つい納得してしまいそうです。

Stratolaunchは米Engadgetの問い合わせに対して「Stratolaunchは引き続き運用を継続しており、なにかお知らせすべきニュースがあれば、最新情報を提供いたします」と述べています。ただ、ポール・アレン氏が夢見た事業が実現するときは、その機体にはStratolaunchとは違うロゴマークがペイントされているかもしれません。
 
 

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