Apple
開発者向けiPadOSベータ版ではついに「iPadにUSBマウス入力」がサポートされたことが明らかとなっています。この件について、アップルから詳しい情報を受け取ったという人物からのコメントと、それを元にした続報が出てきました。
マウスの接続は有線(USB)のみならずBluetoothもサポートし、またiPhone(iOS 13)でも対象となる可能性があるようです。アップルから情報を明かされたというSteven Aquino氏は、フリーランスのテック系ライターであり、iOSにおけるアクセシビリティ(障がい者の方々もデバイスを使いやすくするしくみ)機能の専門家です。
So, on mouse support... Apple made clear to me it is an ACCESSIBILITY FEATURE first and foremost. Meant for users who literally cannot access their devices without a mouse, joystick, whatnot. As @stroughtonsmith found, it's in AssistiveTouch menu.
— Steven Aquino (@steven_aquino) June 4, 2019
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Aquino氏は、数年前からアップルにマウス入力サポートを決定したとの話を聞いていたとのこと。それ以降、取り組みは続けられて今日にいたったようです。
そして同氏は、アップルが「マウス入力があくまでも一義的にはユーザーを補助する、アクセシビリティ機能だ」と述べていたことをくり返し強調。これが設定アプリでの一般項目ではなく、あえてアクセシビリティ内にマウス入力サポートを配置した理由だと示唆しています。
さて、このマウスサポートに関しては、先日のiPadOSベータ版における報告では「iPad」かつ「USBマウス」での動作が確認されたに過ぎません。サポートされていれば多くが選ぶであろうBluetoothマウスが含まれているのか、また実はiPadOSのみならず、iOSでもマウスがサポートされるのか否か、といった重要な点が依然として不明でした。
しかしAquino氏は「iOSとiPadOSでのマウスとポインタのサポートはUSBとBluetoothデバイスでも動作する」と、iOSおよびBluetoothマウスが含まれる点を明言しています。ただし、アップルはまだ正式な対応デバイスリストを作ってはいないそうです。
さらに同氏は「アップルは、アクセシビリティ機能が主流になっていることを気に入っている」としつつ、「しかし彼らは、これが特定のユーザーセグメント(タッチ操作が困難な人々)のために設計・開発されたと強調している」とのこと。一般ユーザーが広くマウス入力を利用する事態は望まれていないようです。
Apple likes the idea accessibility features are getting mainstream looks (cf. mousing on iPad) but they strongly emphasized this was designed and developed expressly for a certain segment of user.
— Steven Aquino (@steven_aquino) June 5, 2019
In other words, curb your enthusiasm.
アップルの視点から考えるなら、マウス入力が標準的になってしまえば、iOSやiPadOSでの操作性の基準が根本的に変わることになりかねません。のみならず、サードパーティ製のマウスを使われるよりも、自社製のApple Pencilを使用してもらうほうが望ましいとも思われます。
とはいえ、設定項目がiPadOSのどこに配置されたとしても、「誰もがマウス入力が使えるようになる可能性がある」のは確かなことです。iPadOSの一般公開版では、もしかするとマウス入力になんらかの制限が追加されるのかもしれません。