英国とフランスのAndroidユーザーに対して、6月後半からキャリアに関係なくRCSサービスの提供を開始するとThe Vergeが伝えています。
RCSは、SMSやMMSを大幅に拡張したもので、テキストメッセージのほかファイル転送や動画・音声メッセージの送信などにも対応しているのが特徴です。
通信業界団体のGSMAにより標準化されており、利用するには端末(アプリ)側の対応のほか、通信キャリアがRCSをサポートする必要がありました。2018年初めの発表時点では43キャリアがRCSをサポートしていましたが、現在は世界76キャリアまでに拡大。日本では2018年5月に、NTTドコモとKDDI(au)、ソフトバンクが「+メッセージ」として提供を開始しています。
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今回、英国とフランスにおいては、Googleが自前でサービスを提供することによって、キャリアに関係なくAndroid端末でRCSが利用可能になります。
ただし、AppleのiMessageのように専用サーバーでiMassageが利用可能なユーザーを管理しているわけではありません。このため、MessaggesからPingを送信し、相手がRCSをサポートしているかどうかを確認する仕組みになるとのこと。また、エンドツーエンドの暗号化にも未対応ですが、メッセージの配信と同時に、Googleのバックエンドサービスからメッセージを削除するとしています。
なお、通信キャリアがRCSをサポートしている場合には、従来通り、そちらに処理を任せます。これは独占禁止法違反などを避けるために処置でしょう。ちなみに、英国ではVodafone、フランスではSFRとFree MobileがRCSに対応済みです。
RCSの普及を促進する意味でも、キャリアがサポートするまではGoogle自身がサービスを行い、キャリアの準備ができたたそちらに任せるのは理にかなっていると言えそうです。
今のところ対応予定が明らかなのは英国とフランスのみですが、Android Messagesの製品管理者Sanaz Ahari氏は「適切なエクスペリエンスを確実に提供するために、少数の市場から開始する」とThe Vergeに答えており、今後、他の国でも展開される可能性はありそうです。
MVNOではRCSが使えないという状態が改善しそうなだけに、日本での展開も期待したいところです。
なお、これらはすべてAndroidでの話。2019年初め、iOSがRCSのサポートを検討しているという噂がありましたが、その続報はありません。