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今年3月、アップルが準備中の動画ストリーミングサービスApple TV+につき、ティム・クックCEOはじめ幹部たちがオリジナルコンテンツ制作の現場に細々と口を出して「邪魔をしている」との噂が報じられていました

この件に関して、同社のサービス担当上級副社長エディー・キュー氏が制作現場には介入していないと発言したことが報じられています。米メディアNew York Postは、クック氏が頻繁に「そんな下品なものにはしないでください」とのメモを制作現場に送ってくると伝えていました。海外ライフスタイル誌GQのインタビューにて、キュー氏は「脚本について我々が送りつけたメモは1つもないと保証します。(コンテンツ制作が)分かっている人達に任せています」として、これを完全に否定しています。

さらにキュー氏は「(NYPの記事が)100%ウソだったことは間違いありません」「彼(クック)は『下品なものにしないで』とは言ってないし、脚本には一切口を出していない」と現場への非介入を強調しています。

しかし、キュー氏はNYP記事のうち「テクノロジーに対して否定的なテーマは物議を醸すために却下されている」のくだりには触れていません。つまり、Netflixの人気コンテンツ『ブラック・ミラー』のように近未来の技術がもたらす歪みと人間の醜い業が交わるドラマはApple TV+では難しそうです。

またNYP記事にはクック氏が(子供から大人まで見られる)ファミリー向けの内容を望んでいると報じられていましたが、キュー氏はそうではない大人向けのコンテンツもあると発言。その例としてリース・ウィザースプーンとジェニファー・アニストンが共演する「The Morning Show」を挙げ、朝の情報番組制作の裏側を舞台とした職場ドラマは8歳の子供と一緒に見るには相応しくないと述べています。

アップルの幹部等が細々と口を出していないのが事実としても、それより不安視されているのがオリジナルコンテンツの選択そのものでしょう。昨年9月にWall Street Journalは、ヒップホップアーティスト(Beats創業者の1人でもある)Dr.Dreの半生を描いた自主制作ドラマ「Vital Signs」が性的かつ暴力的すぎるとして、クック氏がお蔵入りにしたと報じていました。アップルがブランドイメージを保とうとすることと、自由なコンテンツ作りは矛盾するのかもしれません。