Dalton Swanbeck/U.S. Navy/Handout via Reuters
アメリカ海軍ワスプ級強襲揚陸艦USS Boxerが、ホルムズ海峡でイラン軍が使用する無人機を無力化するのに、MADISと呼ばれる新技術を使用したと報じられています。MADISとはMarine Air Defense Integrated Systemの略称で、ドローンが使用する電波を妨害して無力化する装置のこと。

米軍はイランの無人機による攻撃が脅威になると考え、2015年よりMADISの開発を進めてきました。そして、7月19日に行われた作戦ではじめてMADISが使用されたことになります。米国防総省は、その日の攻撃でドローンを無力化した兵器がなにかを正式には述べていません。しかし、その日BoxerにはMADISが搭載されており、艦上から離陸するヘリが写る資料写真にも、艦上の縁の部分にカモフラージュのカバーが掛けられたその姿が捉えられています。

MADISによる成果は、急激に変わりつつある戦争のあり方の一端を示していると言えるでしょう。アメリカは実弾を発射せずに軍事的目標への攻撃を仕掛ける方法を模索しており、6月にはトランプ大統領がイランのミサイル発射システムを無効化するためのサイバー攻撃を指示したとされます。

一方のイランは今のところMADISの攻撃に対する直接的な報復行動には出ていないものの、米軍は米国内の重要インフラに対するイランからのサイバー攻撃など、サイバー空間における米国への侵略行為の可能性を懸念しています。また米国内のサイバーセキュリティ企業FireEyeは7月18日、イランがケンブリッジ大学関連組織のIPアドレスを悪用し、LinkedInの招待状を通じて米国内にマルウェアを送信していると報告しました。

サイバー攻撃は人と人が直接殺し合うような激しい戦いを回避することができます。しかし、それが積もり積もっていけば、結局どこかで従来の暴力的な戦闘に発展しないという保証はありません。

ちなみにNBC Newsによれば、トランプ大統領は今回の件について、イランの無人機に複数回の警告を発したものの、最終ラインとする1000ヤード(約914m)よりもさらに接近してきたため「防御的な行動を取った」と説明しています

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