インディカー、2022年よりハイブリッド化。900馬力超、F1に迫る最高出力でよりエキサイティングに

エンジン音はラウドなままでお願いします

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年08月2日, 午後 12:50 in Transportation
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IndyCar Mid-Ohio Auto Racing
米国最高峰のフォーミュラカーレースであるインディカーには、現在ホンダとシボレーの2社がエンジンを供給しています。このエンジンが2022年のシーズンからハイブリッド化されることが決まりました。このハイブリッド化によってインディカーの最高出力は現在の500~700馬力から900馬力以上へと引き上げられ、F1のパワーユニットに匹敵するレベルに到達します。このハイブリッドシステムは、ブレーキシステムからエネルギー回生を行う多層モーターと、インバーター、蓄電ユニットで構成されます。蓄電ユニットの搭載は、現状のインディカーでは不可能なエンジン停止時のドライバーによる再始動を可能とするため、レース中のイエローコーション発生を抑えることが可能になるとも、インディカーは説明しています。

また、ハイブリッドシステムはP2P(Push to Pass、いわゆるオーバーテイクボタン)を統合し、現在のP2Pシステムよりさらに強力な追加出力を引き出せるようになるとのこと。

インディカーのプレジデントを務めるジェイ・フライ氏は「われわれは将来に向け、スピードとラウドなサウンド、そして本格的なモータースポーツであることという、レーシングのルーツを忠実に維持しつつ、エンジンメーカーにとって重要なハイブリッド技術を追加するだろう」と述べ、エキサイティングで見応えあるレースが持ち味のインディカーがさらに面白くなるとの見方を示しました。

ハイブリッド化の決定により、当初予定されたエンジンの世代交代は2021年から2022年に先延ばしになるものの、ダラーラ社が製造する現行シャシーも2022年にあわせて登場させることで、ホンダ、シボレーに続く新たなエンジンメーカーの参入にも期待が膨らみます。

2019 Indianapolis 500

もちろん、F1やルマン24時間レースを含む世界耐久選手権(WEC)ではしばらく前からハイブリッド・パワーユニットは採用されており、もっと言えばフォーミュラEやMotoEといった完全な電動パワーユニットで争われるカテゴリーも登場していることを考えると、インディカーのハイブリッド化は"最新技術"の導入とは言えないかもしれません。ただ、インディカーのハイブリッド搭載はフライ氏が言うようにレースの内容をより面白くする可能性もあり、注目度の高いレースでハイブリッドという点が強調されれば、もしかすると米国の自動車販売にも何らかの影響を与えるかもしれません。

新しいハイブリッド規定は、2022年から2027年の6シーズンにわたって適用されます。

ちなみに、インディカーはF1に比べて保守的と見られることもあるものの、新技術の開発はF1にも引けを取りません。たとえば、コースサイドにあるコンクリートウォールへの衝突時の衝撃を和らげるSaferバリアなどは、インディカーで開発され、F1へ持ち込まれた技術のひとつです。また走行中のマシンに順位やピットストップ時間を表示するディスプレイは、まだF1にはない、観客を楽しませるためのシステムです。さらに、インディカーは将来的にF1の頭部保護システムHaloのコンセプトをさらに推し進めたエアロスクリーンの導入も計画しています。

インディカーはモバイルアプリでも、レース中の全ドライバーのアクセル/ブレーキからステアリング、選択ギアといったテレメトリーデータをリアルタイムで表示可能にしています。さらに全ドライバーの無線内容を聴いたり、オンボードカメラ映像を見たりできるようにするなど、とにかくファンがレースを楽しむための情報をふんだんに提供しています。




 
 

 

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