Apple AR
Reuters/Stephen Lam

アップルが、AR(拡張現実)チームに名うてのソフトウェア幹部を異動し、ARヘッドセット開発チームにテコ入れをしたとの噂が報じられています。有料ニュースメディアThe Informationは、15年以上にわたってソフトウェア開発チームのプログラム管理を指揮してきたKim Vorath氏が、Mike Rockwell氏の率いるARおよびVRチームに異動されたと伝えています。そのRockwell氏は、ARとVRのソフトウェアとハードウェアに取り組んでいる約12人のスタッフを監督しているーーつまり噂のARヘッドセットに深く関わる立場にあると推測される人物です。

The Informationによると、今回の人事異動はAR開発チームに「何らかの秩序」をもたらすよう意図されているとのこと。Vorath氏はソフトウェアチームにとって「強力な力」であり、スタッフに期限を死守させながら、確実にソフトウェアをテストしてバグを発見および修正させる人物だと評されています。彼女はそうした(期限と品質を両立させる)専門知識をARチームに注入し、開発中と噂されているARヘッドセット用のソフト開発を推進させるかもしれないというわけです。

当のVorath氏は、かつて「ときどき短気な陸軍元帥」と呼ばれるほどの鬼軍曹ぶりを発揮した人物。2007年に最初のiOSを開発中でストレスが溜まりがちな時期に、早く帰りたがるチームのメンバーに怒った彼女は、体当たりでドアノブを破壊して部屋に閉じ込めたなどの逸話が伝えられています

先月半ば、台湾DigiTimesはアップルがAR/VRヘッドセットの開発を一時中止し、メンバーは他の製品開発に異動されたと報じていました。しかし、特にARヘッドセットは様々な方面から大きな期待が掛けられるともに、アップルも関連スタートアップの買収や専門家の雇用を積極的に行ってきたことが知られています。

アップル関連の予測で知られるアナリストMing-Chi Kuo氏も、アップル初のAR製品が2019年末〜2020年半ばに量産に入るとの見通しを述べていました。同社の自動運転機能開発プロジェクトの「Titan」が人員削減をした後に関連スタートアップを買収して強化を示唆していたように、ARヘッドセットも開発スタッフの再配置や製品の方向性を整理している最中かもしれません。