Facebookが傘下のInstagramとWhatsAppに対して、「Facebookが保有していること」を明確にするリブランディングを検討していると伝えられています。米テックニュースサイトのThe Informationは、Facebookが従業員への通達の中で、両アプリを「FacebookのInstagram(Instagram from Facebook)」と「FacebookのWhatsApp(WhatsApp From Facebook)」にリブランディングする予定を明らかにしたと伝えています。
「from Facebook」の表示は、アプリを起動した後のクレジットや、AppStoreなどのアプリストア上で見られるようになります。Facebookの広報担当者は、The Informationに対して「Facebookの一部である製品やサービスについて、もっと明確にしたい」とリブランディングの意図をコメントしています。
InstagramやWhatsAppはFacebook買収後も独立したアプリとして運営されており、それぞれ10億人以上のユーザーを抱えるまでに成長し、Facebookのグループ全体の中でもますます重要な存在となっています。
昨年2018年にはWhatsAppとInstagramの創設者が相次いでFacebookを去っており、Facebookは傘下のメッセージアプリの相互利用への対応など、アプリ間の連携を強める方向での検討も進めています。
また、2019年5月にはザッカーバーグCEOとともにFacebookを立ち上げたクリス・ヒューズ氏が「Instagram・WhatsApp分割論」を発表し、ザッカーバーグ氏が反論する一件もありました。このタイミングで独立性を保ってきた両サービスに対するFacebookの統制が強まるのは不自然なことではありません。
一方でFacebookにはプライバシー関連のスキャンダルを繰り返し起こしてきた企業という悪評がつきまとい、独占禁止法がらみで米国や欧州の議会とたびたび対立するなど、困難な状況にあります。Instagramのような人気のあるサービスを後押しする存在であることでブランドイメージの回復を狙いたいのだとすれば、今後の采配如何によっては両サービスのブランドを損ねてしまう可能性もあります。
原文記事:Facebook plans to put its name on Instagram, WhatsApp
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