本稿では実機を使ってそのあたりをチェックしてみたいと思う。
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セットアップには「iOS機器が必須」
まずいきなり悲報から入らないといけない。iPhone・iPad・iPod TouchなどのiOS / iPadOS搭載製品を一切持っていない人は残念でした。現状、これらの製品をもっていない場合、HomePodのセットアップができない。また、同じApple製品ではあるが、Macからのセットアップも不可だ。
「じゃあ、一時的に誰かのiPhoneを借りれば......」と思うかもしれない。だが、それもやめておいた方がいい。なぜなら拝借したiPhoneでHomePodをセットアップすると、あなたの自宅ホームネットワークではなく、「他人のホームネットワーク」に登録されてしまうからだ。また、音楽サービスである「Apple Music」のアカウントも、セットアップに利用したiPhoneのものが登録されてしまう。それらを書き換える手段は、今のところHomePodを再セットアップするしかない。
だから、家族の端末を使うのでないかぎり、他人の端末を一時的に借りるのはやめておいた方が無難である。
なぜこんな仕組みになっているかというと、HomePodが「ホームネットワークのハブ」になることを前提に作られているからだ。Apple製品では「HomeKit」というホームネットワーク規格が使われており、その情報はiOS機器などで共有されている。HomePod設定時にはWi-Fiのアクセスポイント情報を軸に、HomeKitやApple Musicなど、ホームネットワークのデータが書き込まれることになる。そのため、設定はとにかく簡単で、ひと欠片の文字入力もなく、単に終わるのを待つだけ。だが一方で、そのプロセスはiOSに特化しているし、データを書き換える手段も提供されていない。
というわけで、まずはここがApple製品以外でHomePodを使う際のハードルとなる。まあ個人的には、せめてMacには対応していてもいいのでは、と思うけれど(HomeKitはmacOSにも対応しており、不可能ではない)。
Bluetoothには非対応、「AirPlayスピーカー」としてなら使える
続いて気になるのは「他のOSのデバイスから音を鳴らすことができるのかどうか」だ。先に答えを言ってしまうと、これも非常に大きな制限がある。
スマートスピーカーには、外部入力があったり、Bluetoothで接続して再生ができたりするものが多い。だが、HomePodはどちらもできない。
まず、外部入力がそもそも存在しない。それどころかネットワーク接続もWi-Fiのみで有線接続は不可。本体にコネクタはなく、出ているのは電源ケーブルだけ、というすばらしく割り切った構造である。だからデザインがすっきりしているのだが、「他の機器で使う」観点からすればマイナスだ。
Bluetoothは内蔵されているものの、これはiOS機器でのセットアップなどに使われるもので、オーディオの伝送には使えない。Bluetoothで接続しようにもできないのである。
では、他の機器がまったく接続できないのかというと、実はそうでもない。HomePod自身がApple Musicにアクセスして楽曲の再生ができるほか、「AirPlay」を使って他の機器の音が鳴らせるのだ。
AirPlayとは、masOSやiOS機器などのApple製品で使われる、ネットワークによる連携機能。iPhoneの画面をApple TV経由でテレビに表示するときにも使われているし、Macからネットワークスピーカーを使う時にも使われている。LANを使う技術なのでBluetoothほど手軽ではないが、接続が安定しており、音を飛ばす場合は音質もいい。
iPhoneやMacで再生している音楽をHomePodで鳴らすには、このAirPlayを使って音を伝送するのが基本だ。正確に言うとHomePodでは、電話の呼び出しと音楽再生の同居などに対応した「AirPlay 2」が使われている。
AirPlayはAppleの技術だが、「Apple製品独占」というわけではない。オーディオアンプやスピーカー、テレビなどにライセンスが提供され、AirPlayを使った音楽再生や映像表示が可能だ。なお、AirPlay 2はAirPlayの上位互換技術なので、AirPlayに対応している機器からの再生ができる。
というわけで、そろそろわかった方もいるだろう。
AndroidやPCからHomePodを鳴らす場合には、「AirPlay対応の再生プレイヤー」を使えばいいのだ。Android用としては「Double Twist Cloud Player」などいくつかのプレイヤーがAirPlayに対応しているので、これらを使えば再生できる。ただ、最近はストリーミング・ミュージックサービスを使うことが増えたが、それらのアプリはAirPlayに対応していないので、その辺がちょっと面倒ではある。
▲Android用アプリでAirPlayにも対応している「Double Twist Cloud Player」。Androidから使う場合は、こうしたアプリの利用が必須となる
PCから再生する場合には、「Airfoil for Windows」のようなソフトがおすすめだ。このソフトは好きなアプリの音ソースをAirPlayへと転送してくれるものなので、ウェブでもSpotifyなどの専用アプリでも自由に使える。こちらの方が便利と言えるだろう。
▲PCのオーディオ出力をアプリ単位で選んでAirPlayに出力できる「Airfoil for Windows」。34ドルの有料ソフトだが、無料試用版あり
当然ながら、これらのソフトはHomePodのために作られたわけではないが、同じAirPlayを使うHomePodで問題なく利用できた。
というわけで、セットアップ方法を含め、「Apple製品を一切持っていない人」にHomePodはおすすめできない。だが、「Apple製品も他のOSも同様に使っている」ならば、AirPlayスピーカーとして使っても満足できるだろう。
ただ、問題は「価格」である。AirPlayに対応した機器は他にもっと安価なものがある。Siriを使った音声連携やApple Music連携を前提としないなら、3万2800円(税別)と高価なHomePodを選ぶ意味は薄い。そのあたりも含めて購入を検討してみてほしい。
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