ロシア軍施設の爆発事故後、近隣4か所の放射能観測ポイントが沈黙。当局の情報改ざん疑う声も

事故では5人死亡しました

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年08月21日, 午後 01:00 in Security
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REUTERS/Sergei Yakovlev

今月初めにロシアの軍関係の施設で発生した爆発事故は、5人が死亡し放射能漏れがおこる深刻なものでした。ところが、施設近隣に設置された放射性同位体観測ポイントが、事故発生後まもなく動作不能に陥るという不可解な問題が発生しています。包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)の国際観測ポイントでは、日々、大気中の放射性同位体粒子の計測を行っています。このネットワークはウィーンの拠点にデータを集約するようになっているのですが、各国の観測ポイントでは各国が運営を担当しています。

CTBTOによると、爆発したロシア軍施設にほど近いDubnaとKirovの観測ポイントが、事故発生2日後の8月10日からデータを送信してこなくなりました。さらに、8月13日にはBilibinoとZalesovoにあるポイントもまた送信が停止したとのことです。Zalesovoのポイントでは送信停止の日に、汚染物質が到達したことを示す数値が検出されていたとReutersが伝えています。

なぜ相次いで4か所も停止したのか、その正確な原因はわかっていません。CTBTOの広報担当者は「観測ポイントや通信設備がいつ回復するか、報告を待っている」とだけ説明し、観測ポイントが事故現場に近接する地域にあることが関連するのかなどは詳しく説明しませんでした。ただ、それがまたロシアによる情報の改ざんではという疑いを拡げている模様です。

ただ、カリフォルニア・ミドルベリー研究所で東アジア不拡散プログラムのディレクターを務めるジェフリー・ルイス氏は「ロシアがしようとしたことは無意味です。CTBTOの観測ポイントは世界各地に多数あり、ロシアの内外を問わず放射性同位体粒子や地震、水中音響などの検出を行っているため、いずれ他のポイントが汚染物質を拾うことになるだろう」と述べました。

ロシア当局が放射能漏れを隠蔽をしようとしたのか、偶然が重なっただけなのかはともかく、いまもっとも心配されるべきは施設周辺に住む人々の健康かもしれません。

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