「Amazon Go」でレジ無しショッピングを体験

「監視されている感覚」は皆無だが、天井を見上げると……

石井徹(TORU ISHII)
石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2019年08月27日, 午後 04:00 in Amazon
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Amazon Go
「Amazon Go」は米Amazonが運営するレジ無しコンビニ。「無人コンビニ」と紹介されることもありますが、実際には品だしや案内役として店員が常駐しています。ただし、「レジ無し」とある通り、Amazon Goのレジでの会計の手順が存在しません。来店客が棚から持ち去った商品の金額が自動で計算され、クレジットカードに請求させる仕組みとなっています。

2016年よりAmazon本社内で実験を重ね、2018年1月にシアトルで1号店をオープン。2019年8月現在でシアトル、シカゴ、ニューヨーク、サンフランシスコで15店舗が展開されています。筆者はとある取材でサンフランシスコを訪問した際に、Amazon Goを体験しました。

Amazon Go

□来店前にアプリで登録

Amazon Goの店内に入る前に、専用のアプリのダウンロードと登録が必要です。これはクレジットカードなどの情報と請求先住所などを登録しておくもので、日本のアプリストアでも配信されています。登録時はAmazon.co.jpのアカウントも利用できますが、その場合は改めてクレジットカード情報の登録が必要です。

登録が済むと、QRコードのような「入場キー」が発行され、Amazon Goの店舗入り口にある「改札」にかざして通り抜けられるようになります。「改札」の先には、一般的なコンビニと同じように商品が並んでおり、手に取って品定めできるようになっています。

Amazon Go
Amazon Go

レジは存在しないため、手にとった商品は出店時の「改札」をくぐりぬけると購入したことになります。ただし、一度手に取った商品でも、棚に戻せば請求されることはありません。

Amazon Go▲商品を持ってそのまま改札を出れば、会計完了。数分後にアプリへレシートが送付される

来店していきなり商品を手持ちのバッグに入れて立ち去っても、ここでは万引きになりません(アプリでしっかり請求されます)。Amazon Goアプリを持っていない友だちと一緒に入って買い物して、商品を手渡したりするのもOKです。唯一、Amazon Goアプリを持っている別の来店客に商品を渡すことは禁止されています。

ひねくれものの筆者はAmazon Goをなんとかだませないかと(ルールの範囲で)いろいろ試してみました。「チョコレートを2つまとめて棚から取る」と「違う味のポテトチップスを袋から出したり戻したりしてみる」といったことをやってみましたが、結果的にはことごとく見透かされていたようで、退店時にはカバンに入れた商品だけがきっちりと請求されていました。

Amazon Go

無人会計をどうやって実現しているのかの一端は、天井を眺めてみると垣間見えます。天井には数えきれないほどのカメラが配置され、商品棚から通路までを監視しています。さらに、商品棚には重さや音を観測するセンサーやマイクを配置。画像認識や音声認識を駆使して「誰がどの商品を持っているか」を把握するシステムになっています。まさに機械学習技術に長けたAmazonならではのコンビニ会計の仕組みです。

とはいえ、実際の店舗で明るく照らされ、ポップミュージックが流れるよくあるコンビニの雰囲気。買い物をしてみても「監視されている感覚」はほとんどありあません。それどころか筆者は「会計をせずに出る」という普段はしない行為に対しうっすらとした罪悪感を感じるくらいでした(アプリできっちり請求されています)。

Amazon GoAmazon Go▲天井を見上げると無数のカメラとセンサーが

店内には品だし兼案内役として1人の店員がいますが、彼らは来店客に対して気さくに話しかけ、アプリのインストールの方法などを説明していました。来店客の中にはAmazon Goがレジ無しコンビニだと知らずに入る人が多いらしく、アプリの説明を受けると諦めて帰るという人もいました。いくらIT企業が集積するサンフランシスコとはいえ、一般の人のテクノロジーに対する理解は日本と差はないのかもしれません。

□品揃えは普通のコンビニ、土地柄か惣菜はヘルシー志向

扱う商品はお菓子やドリンクなど、品揃えは普通のコンビニと大差ない印象。Amazonらしい商品では、Amazonベーシックの乾電池や充電ケーブル、モバイルバッテリーなどを取り扱っています。また、「Amazon Go」ロゴ入りのお土産として、マグカップやタンブラー、チョコレートが並んでいました。

Amazon Go
▲お菓子棚やドリンク棚はよくあるコンビニの雰囲気
Amazon Go
▲Amazon Basicの電気小物も販売。ケーブルを忘れたときに重宝しそう

惣菜類の品揃えは都市によって異なるようで、筆者が訪れたサンフランシスコでは、ヘルシー系の惣菜を多く扱っていました。ヴィーガン対応の食品や野菜山盛りのサラダなど、IT企業が集積する都市の流行を反映した品揃えという印象です。レンジ調理対応の食品や、簡単な調理で食べられるミールキットも扱っていました。

Amazon Go
Amazon Go
▲サンフランシスコという土地柄かヘルシーな惣菜が多い。ただしボリュームはアメリカン

「改札」の外にはイートインスペースがあり、電子レンジも備え付け。Amazon Goで買い物をした商品を食べることもできます。惣菜などを持ち帰って食べる場合は、イートインスペースに置いてある使い捨てのフォークやスプーンを忘れずに持ち帰るようにしましょう。

Amazon Go

1つ注意が必要なのが、持ち帰り用の袋は有料ということ。店内には紙袋やショッピングバッグも備え付けられていますが、こちらはなぜか自動で会計されず、取った分だけアプリから自分で入力する必要があります。

このほか、店舗によっては、Amazon.comで買った商品の返品対応も受け付けられています。料金収納やチケット販売、ATMなどもある日本のコンビニほど多機能ではありませんが、Amazonならではの便利さと言えそうです。

今のところAmazon Goは米国の4都市のみでの展開ですが、滞在中に気軽に立ち寄って、最新のテクノロジーを体験できる場所としては便利な存在です。滞在予定がある人は、すき間時間の訪問予定に入れておくと、ロゴ入りチョコレートと一緒に、いい土産話を持ち帰ることができるでしょう。
 
 
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