Harvard University

米ハーバード大学では今週火曜日より新入生の入寮が始まっています。ところが、新入生のひとりでレバノン出身のパレスチナ人留学生イスマイル・B・アジャウィ氏は、ボストン・ローガン空港の入国審査で長時間足止めされたうえ、ビザを取り消されて強制送還の憂き目に遭いました。アジャウィ氏は一緒にやってきた他の留学生たちが開放される一方で、彼だけが宗教などに関連する質問を長時間続けられたと主張します。

管理官はさらにアジャウィ氏のノートPCと携帯電話のロックを解除させ別室でその内容を確認、その間アジャウィ氏にその場から動くなと支持したとのこと。そして5時間が経過した頃、彼のSNSの友人リストのなかに「米国に反対する視点を持つ投稿をしている人物がいた」と述べ、ビザを取り消し、強制送還すると伝えられたとのことです。

アジャウィ氏は本人がいかなる政治的な投稿もしたことがないこと、他人の投稿を自分の責任にすべきではないこと、これまでタイムライン上に政治についての議論が出たことはないことなどを訴えたものの、それらはすべて聞き入れられませんでした。

こうした措置は決してまれに起こっているものではないと、アメリカ・アラブ反差別委員会(ADC)は述べています。アラブおよびイスラム系の米国留学生は近年、所持している携帯電話やパソコンの中身を調べられ「異なるレベル」での精査対象とされているとADCは語りました。たとえば、ある事例では、学生ビザ所持者本人ではなく他の誰かがWhatsAppグループチャットに投稿した画像1枚で、入国を拒否されたとのこと。

問題は、アメリカの入国管理官が、実際に本人がどう考えているかに関わらず勝手にSNSの内容を拡大解釈し入国者を追い返すために利用しているところと考えられます。入国希望者への保護措置がほとんどない一方で税関国境警備局側が一方的に強いシステムは、権力が濫用されたときに誰も対処できなくなってしまいます。

なお、アジャウィ氏はレバノンに送還された後弁護士と連絡を取り、なんとかビザの問題を解決して9月3日の入学日に間に合うよう、米国に向かいたいと述べています。またハーバード大学も「学生やその家族と協力して問題を解決し、数日以内に学生を迎え入れたい」と述べ、ハーバード国際オフィスのスタッフや移民弁護士の協力を得て問題に対応していることを明らかにしています。