アンカーACアダプタの「次」は30W PDで薄型。16mmのPowerPort Atom lll Slim発売

USB関連製品大手のアンカー・ジャパンが、USB PD 30W出力に対応したACアダプタの薄型モデル『Anker PowerPort Atom lll Slim』を発売しました。価格は2599円（税込）。既にAmazon.co.jpなど、同社のWeb直販で購入が可能。なお先着2000個限定で、発売記念セールとして本体価格10％相当のAmazonポイントが付与されます。

本機は、6月に開催された発表会で「夏発売」と予告されていたモデル。端子仕様はUSB Type-C×1基。特徴は、同社が「USB Power Delivery対応の急速充電器では世界最薄」とアピールする、約16mmという薄さ。本体サイズも約76×45×16mm（横長状態：幅×高さ×厚さ）とコンパクトで、本体重量も約57gと30W級としては軽めです。

また、価格の手頃さもポイント。同じ30W出力で小型版となる『PowerPort Atom PD 1』が3499円（税込）なのに対して、25%ほど安価な設定です。さらにACプラグが折りたたみ式なのも嬉しいところ（～PD 1はプラグ固定式でした）。





▲2019年6月の発表会で展示された試作モデル。折りたたみ式ACプラグが確認できます



もう一つの特徴は、スマートフォンなどの高速充電仕様に対する幅広いサポートが可能な点。電圧、電流コントローラーはUSB PDに加えて、アンカー独自の急速充電検出技術『PowerIQ 3.0』にも対応。

iPhoneやiPad、クアルコムのQuick Charge系、Galaxyシリーズなどの急速充電機能を自動検出することで、これらの「独自仕様を使った方がUSB PD仕様よりも（若干）充電速度が速い」機種に対しても、高速な充電を可能にします。





さらに出力30Wが確保されているため、一部ノートPCで使える点もポイント。アンカー側の対応機種には13インチMacBook Air（2018年版）や12インチMacBook、13インチと15インチのMacBook Pro、そしてデルのXPS 13やファーウェイMateBookなどがリストされています。

技術的な面では、Atomシリーズ（Atom PD 4を除く）で採用されている、「窒化ガリウム（GaN）素材ベースのパワー半導体」を採用する点も特徴。機器の小型化（本機では薄型化）、高効率化、そして低発熱化に貢献しています。


▲アンカーがAmazon.co.jpの販売ページに用意した製品比較表。本機はAtom PD 1と比べても、PowerIQ 3.0対応などの強化点が見られます

若干余談となりますが、本製品で興味深いのは、同社が「先日も先日」となる9月3日に、USB Type-C×2基/最大60W出力の『PowerPort Atom PD 2』を発売したばかりである、という点。予告されていたモデルであり、製品ジャンルは異なるとはいえ、たった3日を開けての新モデル発売はかなり異例です。





このようにPowerPort Atom lll Slimは、薄型かつコンパクトな本体に折りたたみ式ACプラグ、さらにはAtom PD 1と比べてかなり手頃な価格など、大ヒットしそうな要素が盛り込まれた意欲作。

Atom PD 1をその小型さに「やられて」購入したユーザーの中にも「発売が速い!! しかも安い!! なんじゃ!?」と叫ぶ人が出そうなほどの魅力に溢れた製品と呼べそう。ともすればAtom PD 1を超えて、30W級PD対応ACアダプタの新しい基準製品ともなりそうな魅力です。