Facebookの暗号通貨Libra担当者、スイスで26カ国の中央銀行幹部から質問を受けることに

とことん信用されていないようです

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2019年09月16日, 午後 02:00 in politics
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Chesnot / Getty Images

Facebookが発行を予定している暗号通貨Libraにつき、今週初めに担当者が世界26カ国もの中央銀行の幹部とスイスで面会すると報じられています。Libraの担当者いわく、通貨の対象とする範囲と設計に関する重要な質問に答えるために招待されたとのことです。今回の会談を主催するのは、ECB(欧州中央銀行)幹部のブノワ・クール氏。同氏はLibraがEU域内で運用を許可されるためには「規制当局の承認基準は非常に高い」と警告しており、とても好意的とは言えないようです。クール氏は先日ヘルシンキで行われたEU財務省理事会の場でも、Libraなどのデジタル通貨技術が金融システムを不安定にし、政府と中央銀行の主権を弱体化させる可能性について「強い懸念」を表明したと伝えられています。

EUでは暗号通貨への逆風が強まっています。まずフランスのルメール財務省は上記の理事会でもLibraは政府の主権を脅かすリスクがあるとして「現在の条件では欧州でのLibra投入を許可できない」と発言。そしてドイツの連立政権もLibraのような「プライベートなステーブルコイン」の発行は許可しない方針を打ち出しています。

Libraへの逆風はEUに限った話ではなく、Facebookの本国である米国でも根強いものがあります。6月には米議会がFacebookがユーザーの個人情報を軽視してきたことへの不信感から開発に待ったをかけ、7月には財務長官が資金洗浄などに利用される恐れに対して「非常に深刻な懸念」を表明しています。

つまり米議会はFacebookのプライバシー軽視、米国政府はビットコインなど仮想通貨が犯罪組織や違法行為に悪用されてきたいきさつ、EUとしては消費者が国境を越えた支払いをするのに苦労している状況下でLibraが金融システムの安定性をかき乱すことを嫌っているというふうに、それぞれが違った事情から異を唱えているわけです。

こうした状況に、Libra担当者は「Libraネットワークを開始する意図が発表されてから約3か月で、世界中の規制当局や政策立案者との関与を優先しました」と前向きな姿勢を崩していません。さらに「私たちはこの関わりを歓迎し、会話を重ねるとともに利害関係者を教育し、彼らの意見を設計に取り入れるために、長い準備期間を意図的に設計しました」と述べ、利害の調整や関係の構築に手間がかかることは織りこみ済みだと示唆しています。

とはいえ、他の暗号通貨よりもLibraが強い懸念を呼び起こしているのは、Facebookが今まで物議を醸してきた数々の不祥事や、露見しなければ何をしてもいいと(少なくとも外からはそう見える)いう姿勢に根ざしているはず。Libraの発行が「FacebookがEUに全幅の信用が置かれる」こととイコールとすれば、年単位の長い時間がかかるのかもしれません。

 
 

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